【002】目的地は、本校舎の向いに建つ部室棟

キーンコーンカーンコーン


一日最後の授業終了を知らせるチャイムが鳴る。


「「「起立!礼!ありがとうございました」」」


ガラガラガラッ!ドドドーーーーッ!


生徒が一斉に立ち上がり、教室から飛び出していく。


「あらよっと!お先〜!」カバンを脇に抱えたショウが廊下を颯爽と走り抜ける。


トットットッと軽やかに、階段を二段飛ばしで駆け降り、昇降口に向かう。


目的地は、本校舎の向いに建つ部室棟。


昇降口に到着したショウは、素早く上履きを脱ぎ、下駄箱の外ぐつに履き替えた。


「お〜、今日は良いペース!自己ベスト更新かな?」


一番乗りでグラウンドの土を踏みしめ、余裕の表情を浮かべるショウ。


チラッと目線を後ろにやると、他のクラスメイトが次々、昇降口から飛び出してくる。


「hahaha!待つのデース。ショウ、ワタシの足からは逃げられまセーン」


笑いながら、驚くべき速さで近づいてくる、一人の生徒。


「げげ……、元陸上部のジョニー!」


「100m14秒台のワタシの実力、お見せしまショウ」


ジョニーと先行するショウの距離は、おおよそ10m。


「ま、負けねぇっ!」一生懸命に腕を振り回し走るショウ。


後ろからは、美しいランニングフォームで走るジョニーが土煙をまき上げ迫ってくる!


部室棟の風除室まで、残り10m……


5m……横並びになる二人!


1m……先に着いたのは……っ!?

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