しろい伝説-繋がったの異世界でした。

藤乃宮遊

第1話 始まり

 桜花学園高等部

 晴れてそこへ入学することになった僕は、早くも職員室へ呼び出されていた。


「そうは言ってもな、前例がないというか」

「前例は破るためにあるんです。先生」


 頭を抱える少し頭皮の薄い眼鏡の教師は目の前に提出された一枚の紙を見て


「入学初日に、去年廃部になった部活に入りたいなんて・・・。

 正直に言うとな、先月、顧問だった秋月先生が定年退職してから、残された書類もないし、誰もその実態を知らないから、どう認可してよいのかもわからない」


 ポリポリと頭を掻きながら


「まぁ、同じようなボランティア部はどうだ? 毎月地区から表彰状を貰うくらいには活動をしているし、それになーーーー」


 遮るように


「いえ、先生。僕は【冒険部】に入りたいんです」



 美術資料室。

 そこが、冒険部の部室として使わせてもらっている教室だ。

 たくさんのキャンバスと一緒に、様々な骨董品が並べられた棚。古びたポスターで破れた壁紙を修復しているつもりなのか、使われていない部屋として威厳を放っている。

 少しかび臭いその部屋は、半年ぶりに人間を迎え入れた。


「はい。これが鍵な。20時には職員室が閉まるから、それまでに帰れよ」


 ぶっきらぼうな体育教師・・・のはず・・・は僕に鍵を投げ渡して

 そのまま「がんばれよー」と歩いて行ってしまった。


「ここが、先輩の居た部室。」


 しかし、見渡しても備品ばかりで、冒険部として活動していた跡が見つからない。

 

「まぁ、それもそうか」


 キャンバスの間に放置されていた椅子を引っ張り出して座る。

 足元にリュックを置いて中を漁り、一枚の写真を取り出した。


「どこに行ったんですか・・・先輩」


 城井かのん。

 

 彼女こそ、冒険部最後の一人であり、現在行方不明の幼馴染だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

しろい伝説-繋がったの異世界でした。 藤乃宮遊 @Fuji_yuu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る