第5話 嫉妬
教室に戻ってしばらくして授業が始まる。
えっ?授業の様子?そんなんいつも通りだ
幼馴染が答えて尊敬の目で見られて
俺が答えて冷たい目でみられる。
……いつも通りの授業だ。
正直早く終わって帰りたい
だが担任に幼馴染と一緒に何か頼まれたのを
思い出した。
陽介に睨まれて内容を聞かずに逃げるように
席をたったため何をするのか見当もつかない。
陽介の野郎め
いつか社会的に殺してやりたい
暇すぎて厨二病っぽいことを考えていた。
結構な時間考えていたと思っていたが、
実際には10分程度しかたっていなかった。
結局授業が終わるまでの間陽介を
社会的に殺す方法を4つ程度考えていた。
「やっと終わった…」
「良一君ー!」
幼馴染が呼んできて、耳元で囁かれる。
「逃げるなよ?帰るなよ?
どうせすぐに帰りたいと思っているだろう?
逃げたら社会的に殺すからな」
まじかよ 社会的に殺されるのは俺の方だったか
「逃げねぇよ 帰ることはあるかもだけど」
「帰ったら物理的に殺すからな」
幼馴染は昔から変わらないな
「分かったけど結局先生は何をしろって
言ってたのか?」
「まあ行けばわかる」
「どこかだけプリーズ」
「着いてこいplease」
発音はネイティブのそれだ。
幼馴染に着いていって着いたところは
職員室前の玄関。
「あぁなるほど
行けばわかるってそういうことか」
そこには大量の教材が置いてあった。
「これを学年の空き教室に運べって」
「やることはわかったが
なんで俺たちだけなんだよ」
「私は生徒会だから。
お前は……目つきでも悪かったんじゃないか?」
「そんな理由だったら担任にいじめられてるって
教育委員会に訴えるぞ」
「私も知らんて 気になるなら担任に聞け」
「めんでぇからいいや」
運ぶべき空き教室は3階。
階段を使って行くしかない。
「なんの教材だよ 全く」
「英語の教材らしい
詳しいことは知らんが配達が遅れたらしい」
「ふざけんなよな まじで」
教材はそこまで重くないが、なにしろ量が多い。
階段を3周した辺りで休憩をとっていた。
「おいサボるな とっととやれ」
「休憩だ 休憩」
「か弱い私が休憩とってないんだから
休憩を取るな」
「昔の部活かよ」
教材を掴んで階段を登る。
ぐっ やはりきつい
よく幼馴染は息切れもせずに運べるな
そうして3階へ登り終わる。
すると少し奥から音がする。
「お前何エレベーター使ってるんだよ!!」
「先生はエレベーター使って良いって言ってたぞ
聞いてなかったお前が悪い」
ちくしょう!
聞いてなかったんじゃなくて
聞こえなかったんだよ!
教材を空き教室において
幼馴染と一緒にエレベーターに乗る。
「そういやお前
いつもお弁当1人で食ってるだろ?」
「なんで1人確定なんだよ
誰かと食べてるかもしれないだろ?」
「ない 絶対にない
ありえない」
普通ここまではっきり言うか?
幼馴染の中で俺はどれだけ陰キャなんだ
「ふっ俺を舐めるなよ
今日は人とお弁当を食べたぞ」
「はっ?」
幼馴染は意味がわからないという顔で
こっちをみてくる。
「まっまぁお前にも男子友達ぐらいいるか…」
「いや一緒に食べたのは女子…」
「はっ!? え? は!?
は!?女子???」
流石に驚きすぎじゃないか?
幼馴染の顔が引きつっている…
というか青ざめている?
どういう感情なんだ??
「……その女子可愛い?」
「えっ… まあ可愛いんじゃないか?」
「……私と比べたら?」
「えぇ…同じくらいじゃないか?」
「ということは相当可愛いな」
どれだけ自分に自信があるんだよ
まあ可愛いのは事実だが…
「………他には?」
「うーん……胸が大きかったとか?」
「ふーん そっか……
その子の名前は?」
やけに質問してくるな
名前か…確か……あれっ
そういや聞いてなかったな
「名前は知らない」
すると幼馴染の顔が明るくなる。
「名前を知らない! それは友達ですらないよ!
いやーそうだよね お前に女友達なんて
私以外ありえないしな ははは」
幼馴染は何故か早口で喋っている。
「まあその子とはまた食べる約束してるから
次聞いとくよ」
幼馴染の顔が再び暗くなる。
「…………行く」
「えっ?なんて?」
「私も一緒に食べる!」
えぇー まじかー
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