第3話 ギルドマスター


 ーーガキンッ!


 ロベリアの一太刀はギルドマスターに直撃する。確かな手応え。だが、彼は無傷だった。


防御魔法ミラージュ


 ギルドマスターの全身が一瞬にして硬化し、黒化する。ロベリアの首を狙った一撃は、肉に食い込んだと思った瞬間に弾き返されてしまった。


「……くっ!」ロベリアは後ずさる。


「血気盛んなお嬢さんだ」ギルドマスターは言った。「君の能力は申し分ないが、お兄さんの実力は我がギルドの看板に泥を塗るに等しい。帰って貰おうか」


「そんなことないのです! お兄さまは最強の傭兵だったのですよ!」


「ほう。ではその力をみせて貰おうか」と、立ち上がったギルドマスターの右手にはいつの間にか巨大な両手斧が握られていた。彼は片手で大重量の戦斧を軽々掲げると、一気に振り下ろした。


「ふんっ!」


 斬撃が、風の刃となってルークに襲い掛かるーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る