第15話

2012年8月24日を境に、こうじとむつみの夫婦関係がハタンの危機にひんした。


同時に、祝行のりゆきまさみ夫婦の家族関係もハタンの危機にひんした。


こうじは、むつみが祝弘のりひろとプリンしていたことを聞いたので無気力になった。


せっかく再就職した造船所を無断で欠勤した。


むつみは、祝弘のりひろが家に居座るようになったので頭を痛めていた。


まさみは、祝弘のりひろが抱えている不満を大急ぎで取り除かないと…と思ってヤッキになった。


祝行のりゆきは『祝弘のりひろ医師いしゃの子だから医師いしゃしかない!!』と言うて突っぱねている…


だからまさみは『夫はなにを言うてもムダだから話し合いをする意味がない…』と言うて話し合いをやめた。


祝行のりゆきの頭の中は仕事と愛媛県の医師会と今治市の医師会のことと疲れたらお酒をのんで寝ることとマージャンすることしか頭にない…


家族のことはどーでもいいと思っている祝行のりゆきは、そのうちアウトになるだろう。


その日の夜遅くだった。


場所は、こうじとむつみ夫婦が暮らしている家の居間にて…


むつみはこうじに対して『造船所の人が心配しているよ…』と言うたが、こうじは思い切りブチ切れた。


むつみは、ものすごく泣きそうな声でこうじに言うた。


「こうじさん!!造船所の人が心配して電話をかけてくださったのよ!!」

「ふざけるな!!それがどうかしたと言うのだ!?」

「こうじさん!!」

「オレはあの造船所をやめるぞ!!」

「どうしてやめるのよ!!」

「理由があるからやめるのだよ!!通勤手当てを出すと言うた事業主ボケジジイがオーリョーしていたことを聞いたのだよ!!お昼のお弁当代を差し引いた残り分が数万円しかないのにどうやって結婚生活を維持していくのだ!?」

「お願いだからお給料を家に入れてよ!!お給料が入らなくなったら困るのはアタシよ!!数万円でも切り詰めて使えば…」

「ふざけるな!!」


(ガツーン!!ドサッ!!)


こうじにグーでこめかみを殴られたむつみは、床に倒れた。


こうじは、床に倒れたむつみの口にさるぐつわをかませた。


(ビリビリ!!ブチッ!!)


その後、こうじはナイフで白のブラウスとレモン色のブラジャーを切り裂いた。


むつみは、こうじに手込めされたあと殺された。


同時に、赤ちゃんも命を絶たれた。


こうじは、むつみと赤ちゃんの遺体をビニールシートにくるんだあとロープで固定した。


その後、こうじは天井裏に遺体を隠した。


こうじの心は、こっぱみじんに破壊された…


祝行のりゆき・まさみ夫婦に対する恩義もきれいに忘れた…


周りをうらみ通して生きると決意したこうじは、どうするつもりでいるのか?


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