第12話

2009年3月20日頃であった。


こうじが監禁されていた倉庫にて…


こうじは、解体の打ち合わせに来ていた解体業者さまたちに発見されたあとケーサツに保護された。


発見された時、こうじは生命の危機にひんしていた。


刑務所側は、こうじを病院に入院させる措置を取ったと同時にシャクホウすることにした。


こうじは、病院で一定期間の入院生活を送った。


退院後は、今治市宮ヶ崎にある福祉施設へ移った。


時は、2009年4月頃であった。


こうじは、施設内の生活棟と作業棟の間を往復する暮らしを送っていた。


しかし、変化のない暮らしにイヤ気がさしたようだ。


その結果、こうじは2009年5月12日頃に施設内で暴動事件を起した。


事件を起したこうじは、施設から脱走した。


施設から脱走したこうじは、付近の空き家に逃げ込んだ。


その後、空き家から一キロ先にある豪邸に侵入した。


こうじは、石で窓ガラスをたたき割ったあと家に侵入した。


そしてこうじは、台所の冷蔵庫の中に入っていた食料をたらふく食べた。


その後、家の中にあった金銭を盗んで逃げた。


それから5日後であった。


こうじは、喜田村きたむらの産業道路沿いにあるマルハン(パチンコ店)にいた。


こうじは、ありったけの金銭を使ってパチスロをしていた。


この時、こうじはとなりに座っていた男性客きゃくとトラブルを起した。


男性客きゃくは、こうじに対してなれなれしい声で『台変わって…』と言うた。


思い切りブチ切れたこうじは、刃渡りの鋭いナイフで男性客きゃくりつけた殺した。


「アニキ!!」

「ああ!!秋月!!キサマ!!」


こうじに殺された男性客きゃくは、やくざだった。


その近くにいたふたりの男は、男性客きゃくの仲間のやくざだった。


思い切りブチ切れたこうじは、刃物を振りまわしながら言うた。


「オドレ虫けら!!弱虫!!ぶっ殺してやる!!」

「ああ上等だ!!」

組長おやぶんレコを殺したうらみをはらさせてもらうぞ!!」

「なんやオドレ!!死にたいやつは誰や!?」

「秋月!!」

「ぶっ殺してやる!!」


このあと、周りにいたやくざの男たち80人が叫び声をあげながらこうじに殴りかかった。


それから30分後であった。


こうじは、80人のやくざの男たちと共にケーサツに逮捕された。


ところ変わって、今治市旭町にある警察署の取り調べ室にて…


こうじは、刑事たちに対して『オレを福祉施設へ送りつけたヤツを呼んでこい!!オレはあいつらをぶっ殺さないと気がすまねーんだよ!!』と叫んだ。


困り果てた警察官が福祉施設に電話をした。


それから一時間後であった。


福祉施設の職員数人が警察署へやって来た。


この時、こうじは福祉施設の職員数人に対して殴りかかった。


こうじに殴られた職員さんたちは、こうじの母親の知人夫婦の家に一度帰すことにした。


マルハンで発生した事件については、施設が弁護士さんを通して示談交渉を進めて行くことにした。


問題は、こうじの今後のことであった。


こうじは、母親の知人の夫婦たちと仲良く暮らして行くことが不可能になった。


今後のことをめぐって、双方が対立した。


夫婦は、こうじに対して『出ていけ!!』と言うた。


こうじは『ああ!!上等だ!!』と言うたあと家から飛び出した。


家出したこうじは、無一文の状態で世間の荒波に放り出された。


時は、2009年10月3日の夕方5時頃だった。


場所は、大島下田水港しただみのバス停にて…


バス停のベンチにひとりで座っていたこうじは、メソメソと泣いていた。


そんな時であった。


こうじのもとに、ひと組の夫婦がやって来た。


夫婦は、名駒なごまで開業医を営んでいるまさみさん(40歳)とダンナさんであった。


まさみさん夫婦は、ロトウに迷っていたこうじに助けの手をさしのべた。


こうじは、まさみさん夫婦の家で生活を始めた。


こうじは、医院の待合室や駐車場の清掃のお手伝いや吉海の支所の近くの商店街へ買い出しに行くなど…のお手伝いを務めた。


その後、こうじは2011年頃まさみさん夫婦の紹介で宮窪の余所国よしょくににある小さな造船所の工場の事務所に再就職した。


与えられたお仕事は、雑用である。


2011年の6月に、こうじはまさみさん夫婦の仲人で知人の家の娘さんで島の保育所の保母さんのむつみさんと結婚した。


その後、赤ちゃんが生まれた。


これでひとなみの暮らしができる…


…とこうじは喜んだ。


しかし、その幸せは長くは続かなかった。


結婚してから1年2か月後であった。


ふたりでせっせと築いた幸せは、一瞬にして崩れ去った。


恐ろしい悲劇の幕が再び上がった。


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