その6・欠かせない存在

「おい、榎本から聞いたぞ。

お前野球部辞めるんだってな。」



そう俺に言ってきたのは同じく野球部の小松。



「そうだよ。なんだ榎本のやつ言いふらしやがって」



「なんで野球部辞めるんだ??」



「理由なんてどうでも良いだろ」

俺はあしらうようにそう言った。



「お前のお父さん倒れたんだってな。

もしかしてそれが理由か?」



「榎本のやつそんなことまで言いふらしやがったのか」



「なんで俺たちに相談してくれなかったんだよ!俺たち仲間だろ?

お前だけで苦しいこと背負い込むなよ!

俺たちが力になるから野球部辞めるなよ!」



それを聞いた俺は心の底から怒りがこみ上げてきた。



「なんだよ!もうほっといてくれよ!

俺は野球部を辞めるからな!!」 



「お前が居ないと野球部はダメになっちまうんだ。

それくらいお前の存在は野球部に必要不可欠なんだよ!



なんたってお前はこの野球部のキャプテンでエースで4番、、、、




で監督でコーチでマネージャーで応援団長でスコアラーでランナーコーチで副キャプテンで抑えのエースで掃除係で買い物係で経理で偵察班長のお前が必要なんだ!!」



「だから辞めるんだよ!」


そして俺はこの日野球部を辞めた。

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