第5話 ちがいばしょうちょうんこ

 刺激があるのは良い事だ。ちんこだって刺激で大きくなる。そう、例えば「うんこ」とかだって立派な文字列で、そう書いたのを凄い!と感じた人が「いやあ、ここでうんこか」といたく感銘を受けても言われなければスルーされた感じでやっぱりうんことか書いちゃダメかなと思ったりする。人間か弱いものです。

 誰でも、特に子供の感性は素晴らしく、温泉で小さい男の子がトイレから出てくるなり「うんちきもちかったー!おケツの穴からプリッてうんち出しちゃったー!」ってでかい声で言ってた時は、教育どうなってんだと思いつつも、「じゃあ、おケツもプリッて出したから、プリップリッって出したんだね?」とか大人の語彙力を見せつけて尊敬の眼差しを得たくなるし、「うんこって何だろう?」と投げたら「お尻の穴から出る排泄物ですが、何か?」と返されたら博識ぶりたいその言い回しにまだまだ青いぜと思ったりしながら、複雑そうに苦笑いするのが大人ってやつだ。

 優劣なんか、厳密に同じことやらないと計れないし、案外世の中そういう機会は積極的に飛び込まないとない。違いに合った居場所があるし、無けりゃ作れば良い。

 どんな分野でも消長が激しく、そこで互換性が求められる気はするけど、たぶん気のせいだ。

 ちなみに上記ふたりの違いは「おケツの穴」か「お尻の穴」、うんちに快楽を見出してるか、ゴミと思ってるか。また発言の本気度も違う。だから僕は、うんこちんこと書く。

 みんなが厳密に同じうんこは出来ないし、同じちんこはないから、優劣は計れない。

 すると、誰もが、万事が、何もかも美しい事に気付く。

 それを十分理解してれば静かなところが心地よいし、自信がなければこそ賑やかな場所に身を置いた方が良いと思う。

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