第36話:最恐のセキュリティ
「リンネ、後ろ後ろ」
「ウゥゥ~、シャーッ (その手には乗らないわよ)」
背後にニャンニャンゼミが発生しているんだが、猛猫は完全にスルーしている。
ニャンニャンゼミ・サンテが天井部分まで近付いてきた。
(今なら顔がハッキリ写るかも)
黒猫は顔が上手く撮れないことが多い。
顔に光が当たる今なら上手く撮れるかも。
サンテが登っている側面は段ボールで覆っているので、横からは見えない。
リンネからは死角になる位置から、サンテの撮影を試してみた。
「カッ! (甘い!)」
見えてない筈なのに、ケージの格子から5cm内に入った途端、猛猫パンチが放たれた。
音はたてていないのに、なぜ分かる?
猛猫に死角は無いのか?!
「キュー、キュー (ボクが見てるでち)」
「ウァーオゥゥゥ~! (ここは監視カメラ付きよ!)」
リンネは、仔猫の反応を見て人間の接近に気付き、攻撃してきたらしい。
なんて優秀なセキュリティ。
セ〇ムもア〇ソックもビックリだ。
こんなセキュリティが付いていたら、不審者なんか近付けないね!
……って。
保護主は不審者じゃなーいっ!
「ウアーオ! シャーッ! (人間なんか全員不審者よ)」
「君は不審者からゴハンを貰って食べるのか」
「ウ~ウゥゥ~! (食べ物は敵じゃないからね)」
ちゅーるやウエットフードを差し入れる時のみ、防衛ラインを越えても攻撃されない。
床トレーを引き出して離乳食を入れた皿を置く際に、最初だけパンチされたけど。
今はリンネに皿を見せて「ゴハン置くよ」と言えば攻撃しなくなった。
「無機物も攻撃しなくなったよね」
「アーオ、ウゥ~ッ (殴っても無駄だからよ)」
初期はケージ内に入るもの全て無差別攻撃していたリンネ。
今では「人間の手」のみ反応して攻撃するようになった。
「この手も防具付けてるから攻撃しても無駄だよ?」
「カッ! (だが殴る!)」
猛猫の攻撃基準は「人間かそうでないか」か?
マジックハンドを借りてからは、トイレ容器の出し入れが容易になった。
皮手袋をした手で扉を開け閉めする前に、マジックハンドを手に持って見せると、リンネは後方へ下がる。
リンネが下がったところで扉を開けて、マジックハンドをケージ内に差し入れても、リンネは後方待機のままだ。
おかげで全く妨害されずにマジックハンドでトイレ容器のフチを掴んで引き出したり、戻したりできる。
手で掴んで出し入れしていたときは大暴れだったリンネだけど、マジックハンドを使うと嘘のように冷静に見ているだけになった。
マジックハンドを貸してくれたYさん、ありがとう!
しばらくお借りしまーす!
※ニャンニャンゼミとリンネ
https://kakuyomu.jp/users/BIRD2023/news/16818093078027117459
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます