592
君は草探しを諦め、巨竜の屍を全部持って帰る事にした。
「マジかよ!?」
スターアローが何を言おうと君を止める事はできない。
それは辛く苦しい日々だった。
70トンに達する巨体を切り分け、ロープをかけ、盗まれないよう見張りを、保存のために冷凍の魔術が使える魔法使いを探して雇用する。巨竜の解体した部位を
「これ冒険者の仕事か?」
スターアローが何を言おうと君を止める事はできない。
巨竜の皮全てを都市の職人に売り捌いた時、君の手元には経費をさっ引いても山のような金貨が残った。
君は竜皮成金として多くの人に賞賛される身となった。
「それ褒められてるのか?」
スターアローが何を言おうと君の名声は確固としたものだ。
稼いだ金を元手に、ツテのできた革細工師や鎧職人を抱えて雇い、鎧工房と防具店「ブロント屋」を経営する事にした君。
卸業者を通さず直営工房からの販売をする事で安定した利益を出す君は、今や立派な経営者だ。
「俺もう要らなくねぇか?」
スターアローが何を言おうと鎧はちゃんと売れている。
今や君は成金椅子に座ってワイングラスをちゃぷちゃぷしながら毎晩ステーキを食う身分。
君は人生に勝ったのだ。
【fin】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます