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レッスンまでの1週間、ずっとそわそわした。

青田が、

「何か心配事がおありですか?」

と聞いてきた。

「そう見えるか?」

「すみません、いつもと違うと思います。」

そうか。俺はわかりやすくなっているのだろうか。

どちらかと言えば、その反対側のタイプなはずなのに。


「俺なんか変に見えるか?」

サブローにも聞いてみた。

「なんだよ急に。なんかいいことでもあったのか?」

「青田に心配事があるかって聞かれたよ。」

「そうか。僕には、うれしいことがあったように見えるけど。」

「ほんとか?」

「出来たのか?」

「そう簡単には出来ないさ。でも、まあ、いいか。」

「めずらしいな、隠し事か?」

確かにサブローにはなんでも話す。

でもこれはまだ話す気になれない。

「隠し事かあ。そうなのかも。」

サブローはそれ以上は聞かなかった。


あこちゃんと話す機会もあった。

「レッスン行ってきたよ。」

「ゆみこ先生からも聞いた。」

「そう?なんて言ってた?」

「楽しそうにしてたって。」

楽しそうにか。レッスンの時は気づいてなかったからなあ。

自然に振舞うことが出来てたかもしれない。

「楽しいよ。声を出すっていいね。」

あこが、人って変わるものねって顔をしている。

「来月飲み会の予定を決めてるの。来るでしょ。」

「ほんとに?行くよ。行く。」

ちょっと食いつき気味になってしまった。

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