第3話 はい?????
見せられたのはここ数年の姉さんの旅をめっちゃエンジョイしてる姿。
こんな顔だったか~。
乳デケェ!
確かに遺伝子仕事してない。
少しくらい姉さんに似てたら俺勝ち組だったのに。
俺は女顔でヒョロ。
姉さんはかっこいい系美人で迫力のあるボディだ。
露出高いんですけど。
ってそこは今語る問題じゃなかった。
旅の写真の風景の方!!!
希少動物でも探す旅してるのか?
ジャングルっぽい密林とか、アーミーな乗り物で荒野を走ってるとか。
深海でピースとか。
遺跡を上空から見てるとか。
砂漠をラクダで進んで砂嵐の写真撮ってる場合か!!?
何してるんだ。
あれか?姉さんも秘宝とか探してるんか?
この家、遺跡のお宝で買ったのか!?
「と、言うわけで最終連絡はキプロスでした」
キプロス??
「今度こそセイレーンを見つけるんだと意気揚々とお出掛けになりました」
???!!!!???????!!!!
「ん?なんだって?」
「セイレーンです」
ちょっと待って。
ここはどこ??
もしかして俺ってば異世界に来ちゃってるの?
姉さん、異世界ウェーーーイ!って遊んでるのか??
「残念ながらここは令和の日本です」
んな!!
「セイレーンは現実にはいないよ?」
バカなの?
「発見されていないものをいないと言う根拠は何でしょう?」
無実の証明みたいなこと言い出したぞ。
「セイレーンは伝説の生き物だよ?」
「人は見本が何も無い状態で空想の生き物を想像したのでしょうか?」
うえーん!!
この人、理屈攻めしてくる。
「響子ちゃん、おバカの弟はおバカだよぉ~?」
「見せた方が早いですよぉ~?」
双子が酷いこと言う!!
見せるって何?
「まぁ、そうですね。舜様、着いてきてください」
ドS秘書に連れられて、庭に出てしばらく歩くとなんか鳥居が出てきた。
敷地内に鳥居!!!??
さらにテクテク、双子もスキップでついてくる。
石畳に石灯籠、完全に神社!!!
敷地内に神域があるよ!!!
狛犬じゃなくて狐が鎮座されていて、朱塗りの和建築な建物の入っていく。
浄財箱はなかったな。
「はぁーい!桔梗が来たよぉ~」
「菖蒲が来ましたですぅー」
「「蘭さまの弟が来たよぉ~」」
双子か障子をバーンと開ければ、黒髪の巫女服少女がお茶を飲んでいた。
「そなたら、相変わらず落ち着きがないの」
可愛い巫女服、萌える~☆
じゃなくて!!!
耳と尻尾生えてますやん!!
「こちらはお稲荷さまです」
は!?
「蘭さまの弟か、気配はあまり似てないの。妾は九曜と申す。よしなに」
九曜さん、見た目に反して話し方がババだ。
って、コスプレだよね?
なりきりのタイプ??
「主ー」
「アゲできたっ」
反対側の襖側から、二足歩行のキツネが現れた。
「あれぇ?」
「響子、双子きてたー」
俺の腰までも無いキツネが宮司みたいな服着て日本語話してるぞ。
「こちらはハチとキュウだ。妾の世話をしてくれておる」
九曜さんが紹介してくれたけど、見分けできる自信がない。
「九曜は、廃れた神社で蘭さまが見つけてこちらに連れて帰った」
姉さん、九曜さんがこのまま忘れ去られて消えると聞いて、建物を用意してここに彼女が居続けられるように勧請もやってもらったらしい。
「もうわかったと思いますが、蘭さまは世界中の幻と言われる存在に会いに行かれることをライフワークにしています」
ぜんっぜんっわからんけど!!??
何その不思議ハンター!!
親父のトレジャーハントとそう変わらんくね?
「カッパとかツチノコとかならわかるけど、おキツネさまとセイレーンとかぶっ飛びすぎじゃね?」
「「そうですかにゃ~?」」
「「頭堅いですにゃ」」
にゃ??
俺の腕にまたもぶら下がってきた双子を見るとさっきまでなかった耳と尻尾があるぞ。
「そこかしらにいるのに人間が気づかないだけにゃー」
「最近の人間、ゆとりがないのですにゃー」
猫耳メイドが!!
「ごくまれにお客様を出迎えるために普段の彼女たちは人間に擬態しています」
へぇー!
「猫又初めてかにゃ?」
「街のボスとかわりと仲間ですにゃ」
ん~?顔に傷作ってたりする猫??
「愛想良くしておけば餌がもらえていいにゃん」
「正体バラすと三味線にされるのですにゃん」
三味線!!!
「双子は蘭さまが屋久島で拾ってきました」
屋久島!!行ってみたいぞ。
「・・・他にもいるのか」
「そうですね。現地から離れたがらない子もいますのでこちらに住んでいるのはあと三名ですが」
ちょっと頭痛いぞ。
「ド・・・速水さんも幻の何かですか?」
思わずドS言いかけた。
「私はただの人間です。高校時代に蘭さまに助けていただいたのでお仕えしています」
メガネをクイっと。
姉さんがいないのに律儀に秘書スーツきて待ってるの健気。ドSだけど。
って、姉さん人間も拾ってるのか。
・・・やっぱ夢見てるんじゃないのかね?
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