第15話 癖

『メイドといえばさ、献身的であることがまず1番だよね。意欲的で家庭的なでもあって欲しい。おはようからおやすみまで暮らしの世話をして欲しいもん。社会的で活動的であるとなお良しだね、ご近所付き合いとか面倒だし、家から一歩も出たく無い。君はどう?私と同じ引きこもりなら親近感湧くんだけどな。印象的ってのも大事だよね。それぞれ個性があるわけじゃない?今日は誰にお世話されるのかとか考えながら目を覚ますのって最高だよ!宿命的で運命的なのもいいね。ラピスノイド以外にもメイドを持ってるんだけど、どのも碌な人生送ってなくてね。私のために生まれてきたんじゃないかと錯覚するほどさ。今はもういないけど。これからまた増やせばいいだけのことだからね!革命的、驚異的、衝撃的で急進的、で、さらに求心的でもあったら刺激的だと思わないかい?メイドに革命起こされたいわけじゃないけどさ唯々諾々と従うだけじゃ飽きちゃうんだよね。驚きに満ちた生活は引きこもりにはつらいけど、錬金術師としてはアリかなって思うんだよね。退廃的に生きたいと思っても、自分を見失いたいわけじゃないんだ。それにさ、助手としてもいいんだよ?救心的で幻想的で好意的なのもいい。優しくて、でも触れたらどこかへ消えてしまいそうな儚い、そんな娘を一人は傍に置いておくといいよ。私は精霊を一匹メイドにしてるよ、消えたけどね。でも優しくて素敵な娘だったなあ。機械的なのもいいよね。淡々と私の言うことをこなしてくれるの。普段は出来る娘なのにちょっと無理無茶を言うと固まっちゃうのとか見てて可愛いんだよ、1回やってみな?ラピスメイドはその辺を考慮して作ったから。私の中ではおすすめポイントだね。逆にさ、情熱的なのもいいよね。あ、精神的な方ね。私はすぐアトリエに引きこもっちゃうからさあ、いつでも燃えてるような娘はちょっとと思ってたんだけど、これがビックリ。意外と元気になるんだよね、元気って伝染するのかな?肉体的で言えば官能的で扇情的で蠱惑的な娘はいっぱいいた方がいいと思わない?ボンキュッボンでもツルペタでもいいんだ。思わず飛び込みたくなるようなお姉さんでもいいし、好き好きオーラ出しっぱなしの少女でもいい。やっぱり好かれるって堪らないよねー、自己肯定感爆上がりだもん。例え自分で作ったメイドでも、誰かに好きって言ってもらうのは大事、これ覚えといてね!あとは、ちょっと変わってるけど享楽的な娘かな。イマイチちゃんと働かないし、よくからかってくるんだけど、これもさっき言ったのと同じで、いい刺激になるよ。たまにやりすぎちゃうところをお仕置して泣かすのとか最っ高だね。そしてそして、いっぱいメイドを雇ったり育てたり捕まえたりしたけど、大事なのは永続的なことだと学んだよ。私はそれなりに長く生きてるけどね、私よりもっと長く生きてる種族でもずっと一緒にいるのは難しかった。事情は色々あったんだけどね。今は殆ど居なくなっちゃった。だから作ったんだ私だけの人形を。いつまでも一緒に居てくれるメイドを。まあ、それでもここに置いていくけどね。私の好きな要素をふんだんに詰め込んだのがラピスノイドだから、是非かわいがってほしいな。そうそう、彼女達が着ているメイド服は特別製でね、私が手がけたんだ。服の縫い方なんて欠片も知らないのに作れるから錬金術って便利だよねー。私は昔からフリフリしたものが好きでね、きっちりかっちりした使用人!って感じのメイド服もいいけど、もっと俗っぽいものにしたんだ。あ、俗っぽいといっても私がこっちに来る前の世界での風俗なんだけどね。ラピスノイド達を見てくれたらわかると思うけど、並べて鑑賞するだけでも可愛いでしょう?ぜーんぶ君にあげるよ。ああ、同士が彼女達を手にする時私は生きてるのかなあ?生きてたら絶対会おうね!まだまだメイド服については語り足りないところがあってね、その服の生地は、』


へきか濃いので一旦手帳を閉じた。

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