作品3:『夢幻泡影』 楠木夢路・著
(作品の話の前に)
読ませて頂く、感想文を書かせて頂く作品の第2回募集を、自主企画の方で行いました。その際、本企画の概要に関して、少々変更を行いました。以下、変更後の募集要項です。
(ここから)
皆様の小説を読ませて下さい!
そして、カクヨム内で「読書感想文」を書かせて下さい!
という企画です。
※読み合い企画ではありません。当方の作品を読む必要は全くありません。自分が一方的に、皆様の小説を読ませて頂くだけです。
まだ右も左も分かっておりません。
不手際等があると思いますが、予めご了承下さい。
【条件】
・「読書感想文を書いてもいいよ」という方のみ!(最重要)
・5000文字以上~10000文字以下。
・完結済みの作品のみ。
・☆が50以下の作品のみ。☆0を優先。
・ジャンル不問。
・過度な性描写・残酷表現がないもの。
【追加条件】
・多少のネタバレを許容して頂ける方。
※前回から追加。ネタバレなしでは何も書けないと気付きましたw 結末部分以外のネタバレありで書かせて頂きます。
【募集期間】
自主企画公開日~5月12日、日曜日まで。
応募多数の場合は、12日の任意の時間に、応募作品の中から抽選を行います。
【募集数】
今回は3作品程度を予定しています。
【公開予定日】
5月末~6月頭頃の予定です。
今回はお試し企画ですが、もし需要があれば、今後、本格的に始動していこうと思っています。
その際は、またご参加頂けたら嬉しいです!
以下の『読書感想文INカクヨム』(不定期更新)にて、作品を紹介していく予定です。
宣伝効果は期待しないで下さいw
(ここまで)
変更したのは、
【追加条件】
・多少のネタバレを許容して頂ける方。
この部分です。その他、少々文言の変更も行っておりますが、募集内容に関しては【追加条件】以外にはありません。
それでは以下、作品の話に移りましょう。
抽選日時:5月12日 夜10時
応募総数:46作品
有効応募数:25作品
※今回は優先枠です。抽選日時点で☆0だった2作品の中から選ばせて頂きました。
夢幻泡影
楠木夢路
https://kakuyomu.jp/works/16818093075855138545
全1話 完結作品
9458文字
ジャンル:現代ドラマ
この作品を一言で表すなら、とても不思議な物語です。
物語の始まり「起」の部分は、割とよくある記憶喪失的な話かと思いました。しかし少し読み進める間にそうではないと分かってくるのです。主人公の一人称視点から、記憶を辿り、周囲の様子を観察するうち、自分が交通事故で死んだのだと理解します。
『脳死』
視覚情報、聴覚情報が(何故か)入って来るし、思考能力もあるのに、医師が測定する自分の状態は『死』。そんな不思議な肉体が病院のベッドに寝かされたまま、医師同士のトンデモナイ会話、両親の来訪と、次々に事件が起きます。そして医師が勧めるのは、ドナーとしての『生』。母親は、息子はまだ生きていると固く信じ、ドナーを拒否します。
「息子さんの臓器で命を救われる人がいるのです。臓器提供をすれば、息子さんの身体の一部はその人に命を繋ぎ、その人とともに生きつづける。」そんな医師の説得の言葉を受け……
この作品は、今回一番最初に読みましたが、ざっと目を通した段階で「今回はこれにしよう」と思うぐらい、自分的にとても面白い作品でした。多分、他の候補が幾つあっても、これを選んだのではないかと思います。
色々学ぶ間に、物事の理非や善悪、自分の中の価値観というものが定まって来る頃、いわゆる思春期を過ぎた辺りですね。色々な事象に違和感を覚えたり、疑問に感じたりするってあると思います。例えば生と死。この作品のテーマです。
自分の場合は、未だ解明されていない人類の誕生について、あるいは人間という存在そのものについて、色々と考えました。人間を作った『神』というものが仮に存在するとしたら、それは全知全能の一神教に出てくるような存在ではなく、人間の前の人類――それを人類と呼んで良いのか分かりませんが――なのではないかと。そしてこうも考えました。もし人類が神になる日が来るならば、それは人間を模したロボットが、自分で物事を考え、行動し、子孫を残すようになった時ではないかと。
人間の脳は謎が多いです。しかしシンプルに考えれば、記憶というのは電子データのようなものです。コンピューターやAIが、記録のみならず思考まで出来る時代になりました。これに自己修復プログラムや自己生産能力が備われば、それはもう人類の後継者です。その時、人間が神になるのではないでしょうか。
脳死状態でも記憶や思考力を持つ主人公、現実では有り得ません。しかし実際、臓器移植を受けた患者にドナーの記憶が宿るという事例も多数あります。脳や思考を電子データとして捉えるならば、臓器の残留思念もあながち考えられない話ではありません。そんな事を想起させる、興味深い作品でした。
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