Digital22.足手まとい
俺は少し窓から外を見て、兵士
『ケホッケホッ! な、なんだ? いきなり煙が出てきたぞ!?』
『クッ……まさか侵入者がやって来たのか? しかし我らが守っている扉には外で開けれない様になっているからな。俺達が慌てている間に侵入しようたって、仲間が来ない限り無理だな』
『そうだな。それにさっき遠めに見えたけど、あの人は……だよな?』
『そんなわけ無いだろ? まさか……がここにいるわけ無いだろ?』
『それもそうだな』
兵士
う~ん。少しだけ聞き取れなかったけど、何か大事な事を言ってだろう。
窓から顔を収め、後ろに振り向く。そこは白夜が霊の肩を掴みながら聞く。
「おい、何でここにいるんだよ! むしろどうやって来たんだよ!」
「い、いや。そんな事言っても青い光に惹かれちゃって、気づいたら城の前にいたんだよ!」
霊はこの状況に驚きつつも言う。
マァ、いきなりわけわからない所にいるなんてかなり驚くからな。
そう思っていると、アルフォンスは霊を落ち着かせようと話しかける。
「お嬢さん、いきなり変な所にいて大丈夫ですか?」
「ウワッ! なんか変なおじさんがいるんだけど!?」
霊はアルフォンスに指しながら驚く。おじさんと呼ばれた本人は「グェ!?」と叫んで吐血する。
しかしアルフォンスを除く俺達はそれよりも気になる事がある。
ちょっと待て、それにしても何でアルフォンスがリスじゃなく、人間で見えるなんておかしいぞ!
俺は霊に質問する。
「なぁ? 何でアルフォンスの事を人に見えるんだ?」
「エ? もしかして人間じゃないの?」
霊は首を傾げながら言う。
その様子だと全然知らない上、さらにアルフォンスの事をリスで見えていないかも知れない。
俺は少し涙を流しているアルフォンスに肩を叩きながら呼び掛ける。
「お~い、大丈夫か?」
「だ、大丈夫だと思う……。何か用事があるのかい?」
「そう言えばお前何で霊が人に見えるんだ?」
俺は気にしている事を言うと、アルフォンスは涙を拭きとりながら答える。
「それは僕に人間に見える魔術をかけているからね」
「魔術ぅ?」
俺はアルフォンスが言った事に疑う。
と言うかそんな都合のいい事があるのか? スキルとかありえそうだけど、魔術って異世界ファンタジーとかあるあれだろ?
そんなものがあるなんて怪しすぎだろ?
そう思っているとイザナが霊に指しながら言う。
「一応霊はセーフルームにお留守番させておこうと思っているけど、皆は如何するんだ?」
俺達はイザナが言う言葉を賛成し、霊にお留守番しようとするが、本人はそれに付いて否定する。
「いやいや、いきなりこんな訳分からない場所で留守番なんてできないでしょ!」
「う~ん……それは正しいけど、このまま危険な目に合わせられないんだよ」
「で、でも……!」
霊はココにいる事に怯えているが、白夜はしびれを切らして言う。
「あ~もう、霊には悪いけどこのまま大人しくさせるぞ」
「エ、ちょっと待っ――!」
霊は白夜が何をするか聞こうとするが、白夜は鋭い手刀で気絶させる。
その時に霊は変な声を出す。
「おりゃ!」
「ぷぎゃ!?」
霊は変な声を出すとそのまま倒れてしまい、アルフォンスに抱え込まれる。
俺は霊に近づいて呼びかける。
「お、おい。大丈夫か!?」
「安心しろ。ちょっと気絶させた、あとで起き上がるぜ」
白夜はそう言いながらどこからかシーツを取り出し、それを霊にかける。
俺は少しだけ安心し、リュックサックから書き残しを机の上に置き、俺達は場内を探索する。
セーフルームを出ると、目の前は廊下が赤い絨毯で敷かれている。さらに壁にはヤギの頭をした飾り物や鼻を入れている花瓶も置かれてある。
見た目も城に近いけど、中も城で出来ているな。
だけどこんなに洋風の城に似ているなんて一体どうなっているんだろうか?
そう思っていると兵士
『ナッ!? 貴様ら、どうやって――』
兵士
兵士
俺はその隙に〈コルトM1900〉を構え、兵士
.38ACP弾が
よし、レベルが五になったことで能力が上昇し、攻撃力が高くなったから銃弾を一発で倒せたからな。
そう思いながら場内を探索する。
▲▽▲▽▲▽
――ウゥ……ここはドコ? 見た所何もない空間だけど……?
霊は辺りを見渡しながら歩んでいると、一人の幽霊が自分の前に現れて聞く。
『あなたはどうする気なの? このまま自分の思いを押し潰して生きるの?』
「エ……あなたはだれ? むしろここは何なの!」
霊は幽霊にこの空間について聞く。しかし幽霊は頬を緩ませながら言う。
『あなたはセーフルームから出て、二人の兵士に出会う。それがあなたにとっての運命が起きるわ』
――運命? それにセーフルームって何?
霊は幽霊が何を言っている分からずにあ然としている。そして幽霊は霊の額に指を当てて言う。
『良い? 貴方はセーフルームから出て、二人の兵士に出会うのよ?』
「……ハイ」
霊は無表情で答え、幽霊は少し笑いつつ消滅する。
そして霊は目を覚ますとセーフルームにいて、クロード達がいない事に気付く。
「あれ? クロード君達がいない……ってアー!」
霊は少し瞼を擦りながら周りを見ると、すべてを思い出す。
その中に白夜がいきなり気絶させた記憶も思い出すと、殴られた場所をさすりながら呟く。
「イタタ……にしても白夜め~いきなり気絶させるなんておかしいでしょ!」
霊は白夜のやったことに怒りを感じつつ、机の上にある置手紙に気付き、それを取って読む。
内容はこの世界や
確かに自分は戦闘できるわけじゃないが、夢で出てきた幽霊が言った事が気になり、セーフルームから出て辺りを見る。
見た限り赤い絨毯を敷かれ、壁にはヤギの置物や花瓶が置かれている。
見た目はともかく中身も城にいるんだなと、霊が感じていると兵士が慌てながら近づいてくる。
『そこにおらしておりますのか、姫様!』
「ひ、姫様!?」
霊はいきなり姫様と呼ばれた事に驚ている。
どうして自分が姫様と呼ぶのか聞こうとするが、他の兵士がやって来る。
『姫様、アスモデウス様が呼んでおります』
「い、いや私は姫じゃ――」
『何をおっしゃっておりますか? ほら、行きます』
「いや、本当にま――」
しかし兵士二人が霊の腕を掴み、そのままどこかに連れて行かれるのであった。
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