クラスメイトに奴隷が居た。【04:44 1】

激 辛

第1話

クラスメイトに奴隷がいる。


最近決まった法律で、学園で成績の悪い生徒や、一部生徒に指名された場合に奴隷になる制度がある。


そしてクラスのアイドル、春ちゃんは成績が悪いわけでないが、地位が高いクラスメイトに指名されて、奴隷にされてしまった。


「辞めてください、それだけは」


酷い光景だ。


夏「ねぇ、優助けてあげてよ」


「そう、言われてもなぁ」


確かに助けることは出来る。俺は学年一位だし、唯一同じように奴隷を獲得出来る権利を持って居る。


「辞めてください!!お願いです。それはそれだけは」


「お前のは俺のなんだよ。口答えするな」


「きゃっ・・・!」


思いっきり腹に入る。痛そうだ。


「・・・優!!」


そう言われてもなぁ、ここでやつに目をつけられたくない、これから先学園で一位になり続けるとは思わないし、奴らに何かされる可能性だってある、なにより、俺には夏も・・・妹も居る。


もし俺が何かして、巻き込まれるのは


「・・・いいじゃねぇよかよ!!」


そうして、目の前で春ちゃんが大切にしていたと言う、指輪を壊して


「これどれくらいでネットで売れるかな」


春さんは泣き崩れた。


「優、アンタ!!あれを見ても何も思わないの」


そんな春さんを見て夏は俺に怒る。


「・・・酷いよ。大切な形見だったのに」


春さんはアイドル業で稼いでいる。実際その指輪なんて比じゃない程お金もあるのに、辛く、人生の宝を壊されて絶望して居る。


「・・・優!!」


だけど、やっぱり、そんな春さんを見て心の底からよかったと思った。


ここで怒りに身を任せたら、きっとこの後悔を大切な人にさせてしまう所だったから

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る