第2話

ハズレスキル ガチャ


ガチャは何に使えるか分からないハズレスキルである。


使い方が分からないならゴミと同じ、このスキルは思いっきりハズレだ。


どうすればいいんだ。家に帰ったら、まず親に追い出されるに決まって居る。村からも馬鹿にされて、これから行く学園でもみんなから馬鹿にされる。入学の時点でスキルを明かすことになるから、馬鹿にされるのは確定だからな・・・


こうなったら、鍛えるしかない。


________


そうして、3年後、鍛えに鍛えられた俺はついに学校に行くことが決まった。


その前に

「お父さん、お母さん。本当のことを言うね」


「うん、」「なんだ??優」


「実は俺、スキルを隠してたんだけど、ハズレスキルだったんだ」


「・・・」「・・・」

二人はリアクションに困って居る。理由として別にスキルが悪いからではない。


「だけど、俺はもう大丈夫。この筋肉があるからな。それに例え、ゴミスキルを持つ息子を産む無能な親でも、俺自身はそれを逆行に乗り越える力を持って居るからな」


 優の性格の問題だった。

決して、ハズレスキルを貰ったことについては別に良いと思う。そもそもスキルを貰いに行く際に、帰ったらすぐに教えてると言っといて気まずそうに帰って来た時点で理由は察して居たのだ。


 「じゃあ、もう行くは。これでこの何もないゴミ家族から、俺を陰で笑う村からもおさらばだ」


両親はそんな息子が外に出て泣いていた。


この涙は優が生まれた瞬間から一度も泣いて居ない。


この涙は、どうしてこんな暗い子に育ってしまったのだろうと言う自らの後悔で、息子が見えなくなるその瞬間までは、そんな風にも思わないように努力して居た。だが息子が扉に出た瞬間に、周りの人に迷惑を掛けないか心配から溢れ出てしまったのだ。

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