第6話


 人間って、何なんだろうな。


 人間界に行ってみて思ったことだ。

 私の思っていたイメージとは全然違った。正直、変わりすぎて困惑している。

 もっと、残虐なイメージだった。もう少し、ひねくれたり、酔狂したりしていると思っていた。


 結局、焦ってうまくしゃべったりできなかったけど。

 少し、恐怖心は無くなっていた。



 :;:;:;:;:;:




「人間界はどうだった。」


 夕食の時間に、お父さんにそう聞かれた。

 少し、悩んでいるような感じもしたが、とりあえず答えた。


「なんか、普通だった。」

「そうか。なら、よかった。」


 何を聞きたかったのかはわからなかった。

 お父さんは寡黙なので、必要なこと以外は喋らない。今の会話が必要な会話だった…?


 よく、わからなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る