屋上少女と弱虫少年

みん

第1話 ~8月13日~ -放課後の屋上-

私は放課後、学校の屋上で空を見上げた

『もう少しだな』

と呟いた

空を見上げてボーっとしていたら


ーキィー


急にそんな音がして振り返った

私はびっくりしただって

「何してるんですか?」

とそこには不思議そうな表情をしながら微笑んでいる男の子がいた。

私はびっくりしすぎて

「見えるの、、、、?」

と言ってしまった。

ああああ!!!私何やってるの!!

心の声が出てしまった!!

言った後に後悔しても遅い。

「え?」

彼は不思議そうにこちらを見ていた。

やばい、そう思い誤魔化すように私は

「なんでもないです!えっと、、、、」

ここまで言って何を言えばいいのか分からなくなった

忘れてた、、、!!私人見知りなんだった!!

その時彼が

「僕は1年1組の春琉です。きみは?」

そう言い笑顔で問いかけてきた

不思議と緊張しなくなり

「えっと、1年2組の一ノ瀬優季です。」

少し不安になりながら言った

彼、、、、春琉くんが1年全員の名前を覚えていたらバレてしまうから

知りませんようにと願いながら返答を待っていた

「一ノ瀬さんか、よろしくね」

そう言い優しい笑顔でこちらを見た

私は靴をみた、、、赤!同じ学年のひとと分かり

「よろしくお願いします、と言うか一ノ瀬さんじゃなくていいよ優季で」

何故か彼、、、春琉くんにそう言っていた。

春琉くんは目を見開きその直後おかしそうに笑いだした

私は

「なんで笑うの!!」

と少し怒りながら言った

それでも笑いは止まらなく笑いながら

「ううん、なんでもない、優季ね、よろしく」

-ドキッ-

びっくりした、!家族以外に呼び捨てされるのは初めてだからびっくりしてしまった

私がぼーっとしていると不意に春琉くんが

「それより、どうしてここに??もう下校時刻だよ??」

そう言われ

「そうなんだけどさ、」

と返答に困りながら言葉を探して

「私空を眺めるのが好きなんだ、だからこうして放課後屋上にいるの」

私は本当のことがバレないように空を眺めながら言った

「そうなんだ」

と意外そうに私を見ていた

よかった、、、バレなくて。

春琉くんには申し訳ないけどこれはもう隠し通すしかないなと思った

、、、えっ、、

私は春琉くんの横顔を見た

悲しそうなそんな顔をしてた

私はもしかして、、、と思い

私は春琉くんを見て微笑みながら

「私いつでも屋上にいるから。暇だったら来て。色々たくさん話聞くよ」

そう言った。私は誰にも相談できずに終わった。

春琉くんは、春琉くんは、、、、私と同じ道を歩まないと願った

春琉くんは少し驚きながら困ったような顔をしながら

「わかった。ありがとう」

と微笑みながら言った

私は時計を見た

もうこんな時間か

そう思い

「もう帰った方がいいんじゃないかな??暗くなったら危ないし!」

少し重い空気を明るくしようと私は笑顔で言った

春琉くんも時計をみて

「そうだね、そろそろ帰ろうかな。優季は帰らないの?」

そう言われ私は、、、私は、、、、、、

「ううん、もう少しだけ空眺めてるね。今日親が迎えに来るんだ。でも少し遅くなるっぽいからさ」

真相暴かれないように笑顔ではるくんにいった

「そっか」

少し心配そうに私を見つめていた

「優季、気をつけて帰ってね」

帰るも何も、、、と思いつつ

「あーーうん!気をつけて帰るね」

苦笑いしながらそう言った

春琉くんは多分別の意味の苦笑いだと思ったらしく

「車だもんね。大丈夫か」

と笑った

「じゃあ帰るね」

と少し名残惜しそうな顔をしながら笑顔で私を見た

私は

「また屋上で」

と笑顔で手を振った

春琉くんも手を振り返して屋上をあとにした

私は

『ごめんね』

そう心の中で呟いた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る