第7話 純平のおまかせコース

「んんー朝日が眩しい」

「ですね、じゃぁ伊織さんお疲れ様っす」

「はい、お疲れ様でした」

黒服数人と別れ俺は駅まで歩く、めちゃくちゃ眠い。



通知はまぁ潤と純平が来ていた。


純平のメールには待ってるとあった。


めちゃくちゃに抱いてもらいたいってのはあるけど俺が純平の幸せを一番に考えないと。




「ひゃう!!??」


ビルの隙間から伸びてきた腕に俺は捕まったようだ。



この香水の香り知ってる。

「純平?」


「うん、お疲れ」


「こんな朝早くから何してるの?」

「んー伊織を拉致しにきただけ」


「へぇー良い趣味してるね」



「うん、連れて帰る」

「って仕事は?」


「今日土曜日だから ない」

「あ、そうだっけ?」


車の助手席に座らされシートベルトもつけられそのまま純平の家に拉致られた。



きっとお風呂から始まるんだろうな。

まぁ今日はちょっと酷くされたいから純平のおまかせコースに付き合おう。



車に揺られながら外を眺める。


純平は普通の仕事について土日休みで女の恋人がいてもおかしくないほどにイケメンなのに俺が純平の人生を変えてしまった。



「どうしたの? 眠たい?」

「うん」



「寝ててもいいよ」

「うん」

でも純平の声が安心する。

だって純平は俺が寂しい時にいつも一緒にいてくれるから、だから……。

眠たい……。


すーすーと寝息を立て始めた。



「伊織は俺だけのものだ」



車をマンションの車庫に入れて伊織を家に運んだ。

部屋につくと風呂を沸かすボタンを押して、伊織をベッドに寝かせTシャツから丁寧に服を脱がせていく。


上半身が露わになるとそこにキスを落とし伊織の匂いが嗅ぐ。

仕事で汗ばんだ匂い、煙草の匂い、知らない男の臭い……そして牛乳臭い……なんで?



お店は本番NGだけどもし伊織が他の男に抱かれていたって事実を知ったら俺はもう伊織をこの家に閉じ込めておきたくなる。



「伊織……伊織……」


「んっ……なんだよ?」

「起きた?」


「呼んだだろ?」

「うん、お風呂入ろっか」


洗面所につき2人は裸になるが終始純平は伊織を離さなかった。


「ちょっさすがに入るときは離れないと」

「なんで?」


……こうなってしまった純平は俺と離れることを許さないだろう。



狭い浴室に男2人は狭い。

当たり前なんだけどでも純平は俺の背中から首筋を舐めてきた。

「ちょっくすぐったい」


「知ってる、でもこれなんの痕?」

「痕?」

鏡に映るその痕は例の男のものだろ、未遂では終わったものの首元にキスを落としていたのでそういう結果にはなる。

「絆創膏剥がれたのか……」

これを見つかってしまったらもう純平のむらむら度は爆発寸前だろうな、そろりと下を見るとやはり勃起していた。

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