第4話 無理矢理*

耳元で何度も男は

「いいだろ、減るもんじゃないし、ちょっとはさ、俺たちにサービスしてくれてもいいだろ?」


「やめてください、これはサービスとかじゃなく……いった……んんっ」

足を絡まされ床に倒れた、そのままキスをされ舌を入れられた。


くっさー酒臭い、こいつらどんだけ飲んでるんだ。



「ああ、いいね、襲うってさ男のロマンだよな」

「くっ……っ」


だが俺はテーブルの下の緊急用ボタンを押した。


それは部屋にはなにも告げずスタッフ専用の部屋にだけ音が届く。

「あ? なんだなんかしたのか?」



男は俺の腕を掴み上部に固定すると片方の手で顎を掴み舌を絡めてきた。

「んんっ」

早く黒服来てくれ。


バイトはソファーの上でおっさんに腰を振られていた。

同意なのか同意じゃないのかは分からないが

多分あの顔は同意だな。



「おらおらおら!! 出すぞ、中に俺の大事な精液を」

「ひゃぁああお客様……」


「はぁはぁ……」

軽く押しつけ中に出したことを目の当たりにした。




「さてさて君のここはどうかな?」

チャックをおろされ手を入れられる、黒服なにしてるんだよ、早く来いよ。



「んっ」

「おっほー嬉しいね感じてるのか、お前よく見たら可愛い顔してるな、もっとぐちゃぐちゃにしてやりたいな」


「くっ」

くそ、力がでない。



ドアが開き1人の黒服が入ってきた。


「あ"! なんだ手前邪魔してるんじゃねぇぞ!!」

と男は刃向かったがくるりんと背中を床についていた。


そしてソファーのおっさんもあっという間に取り押さえられた。


「伊織、後で説明を」

「はい」

助けに来た黒服は魚さかなさんだ、名前の由来はマスターが適当につけたそうだ。


俺はバイトのところに行き、様子を見ると少し薬を盛られたようだ、てことは無理強いか、興味か、お酒の注文や接待などは全部タブレットで管理してるから黒服の住処に連行され嫌でもお金を支払わせて出禁になるだろうな。



「大丈夫? 立てるならシャワー室行くよ」

よろけてはいたが射精して薬が抜けたのかゆっくりと部屋を出てスタッフ専用の部屋に向かった。

シャワー室と書かれた部屋に入ると何人かいた。

「もしかして」


「その、もしかしてだよ、今日襲われすぎだろ」

黒服が1人スタッフを肩に担いでいた。



だから魚さんしかこなかったのか、でも魚さんは合気道の大会に出場してるからさっきのとか本当にすごいし頼りになる。



「あ、俺が預かってますよ、伊織さんカウンターでしたよね?」

「助かります、カウンター戻ります」

手とうがいをしてカウンターに戻る、本当はそんな元気ないし、カウンターには多分まだ潤がいるから顔を合わせづらいっていうのもあるんだよね。


ちなみにこの人は熊(くま)さんだ。

本名が熊原さんという方でそこからとったっとか、じゃぁ魚さんはどこから?

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