電脳一夜城

まっしろたまご

電脳一夜城

街は眠りに落ち、やがてしんと静まり返る

少しの寂しさと高揚感を抱え、私が向かうのは一夜城

仮の名前、仮の姿で、どこの誰かもわからない友人に会う為に。



朝が来れば消えてしまう、甘く優しい幻想

どうしようもない現実に疲れた人々の理想郷

珍妙で奇妙、怪奇で幸せな世界。



電子の海に溺れる私を、岸に立つ人間は笑うだろう

だが、それでいい

彼らの生きる世界はあまりにも眩しく、また影も濃いのだ。



どこに生きても日が当たらないのであれば、仄暗い水底で生きるのも悪くないだろう。

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