第14話 天使か神の様に......


このまま宿屋へ連れていくと問題になるよね。


「歩けるかな?」


「ごめんな……さい……」


「それなら、いいや」


僕は彼女を抱きかかえ街を出て森に向かった。


◆◆◆


「あの……何処に行かれるの……」


「う~んと、人が居ない所かな?」


「私、病気に感染しているから、なにも出来ません。もししたら、ご主人様も病気になっちゃいますよ……死んじゃいます」


「まぁ、いいや、この辺りで……丁度良い泉もあったし」


「なにをするの……」


僕は彼女のボロキレみたいな服を脱がして裸にした。


「あの……本当に死んじゃいます。それに私みたいな醜い女にそんな事しても、体もこんなに醜く崩れています……どうしてもというなら手、手なら……」


そんな事しないんだけどな。


「いいから、泉に入って」


「はい……解りました」


「マジック、マジ―アー! この少女の病を治したまえーーっ」


「えっ……」


「マジック、マジ―アー! 泉の水よ、彼女の汚れを落としきれいにしたまえ」


「あっ、あの……あっ嘘、私の溶けて崩れた体が……治っています」


「顔も元通りに綺麗な顔だから、安心して……あとは……」


少女の顔が赤くなり、泣き出した。


「て、天使様ぁぁぁぁ~ありがとうございます……メリーにはこんな事でしかお返し出来るもんがありません……薄汚い体ですが、どうか受け取り下さい」


そういうとメリーは僕の服を手早く脱がし、跨ってきた。


「ちょっと落ち着いて……」


「大丈夫です……天使様、メリーがすぐに気持ち良くして、してあげますから……あっああっ……痛い」


「そこも、ちゃんと戻したから無理しないで、ほら……」


「嫌です! やめません……天使様に満足して貰うまでします」


本当に鬼気迫る表情だし……止めても納得しなそうだ。


「解ったよ……」


僕はこう言う経験は無いのに、まさかこんな風に初体験するとは思わなかったな。


まぁいいや。


◆◆◆


「どう? 落ち着いた?」


「すみません、取り乱してしまいまして……その天使様にお恥ずかし事を……ううっ恥ずかしいです」


まぁ恥ずかしいのは解る。


僕の下半身には初めての証の血がついているし、生臭い白い物も沢山。


ハァ~。


正に絞りとられた感じがする。


折角、病気を治して新品にしたのに……


「折角、新品の体にしたのに、よかったの?」


「ええっ、今迄はその嫌な相手としかした事が無かったので……」


「そう、それなら良かった。 それじゃ、マジック、マジ―アー! 二人の体を綺麗にして」


一瞬にして汗や体液が無くなり、綺麗な状態になった。


「マジック、マジ―アー! メリーと僕に服をお願い!」


裸の体に光が集まり、それが布に変り体を包んでいく。


正直に言えば、宝石付きのドレスやタキシードにする事も出来るが、それは目立ちすぎる。


メリーには女の冒険者が着ている様な動きやすいスカートの服、勿論下着つきで。


僕も冒険者風の服にした。


「す……凄い、まさか……まさか天使様じゃなくて神様なのですか」


実は、その考えは間違っていない。


魔法の国の住民は昔から人間界で修行を兼ねて暮らす事がある。


そのうちの何人かは人間界で『神』として扱われている。


「確かに僕は神様や天使に近いよ! だけど、この世界の神様とは無縁だから内緒にしてね」


「はい、神様、例え死ぬような事があってもばらしません!」


「いや、そこまでしなくて良いから……僕はこの世界じゃ鏑木騎士。 気楽にナイトと呼んでくれれば良いから」


「ナイト様……これで良いでしょうか?」


「うんうん、それで良いから、それじゃ行こうか?」


「何処へですか?」


「宿屋へ」


「はい!」


顔も体も治ったし、服もちゃんと着替えさせたから、もう大丈夫だよね。



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