(一)-12

 そのトラックは次々と人を轢いて、まっすぐこちらに来ていた。木の下とはいえ、幹の部分から少し離れた所に陣取っていた俺たちは、そのトラックの格好の標的であった。

 立ち上がって一斉に逃げ惑う人たちの中で、俺たち五人は、何が起きているのかわからずに、そのまま立ち尽くしてしまっていた。

 そうこうしているうちにスピードを上げて暴走するトラックに俺たちははねられ、ひかれた。

 マコト先輩をかばおうとして俺はとっさにトラックの前に出た。しかしトラックの勢いはすさまじく、俺が全身を強打すると同時に、俺は背中に先輩の体が強くぶつかったこともわかった。強い痛みが全身を襲う。そして俺は意識を失った。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る