第4話 Root

 ………目醒めたのか?何だったんだ、さっきの。


もう夢なら、あんなの見たくない。


そして、何故、俺は海に来てるんだ?


この場所は知っている。幼い頃、何度か来た。


何だ?俺の姿…


 俺、子供じゃないか…ここで無邪気に遊んでいた子供の頃。そうか!!解った。意識だけ飛ばされたんだ。



 そういうことか。さっきのコンシェルジュらしき人の言葉、場所、俺の体…過去の思い出ってこと。


 なーんだ。じゃ、夢確定!!!好き勝手して懐かしんで、お気楽にしてればいいんだ!!



やはりそうなるか!!後で後悔するなよ。



誰だか解らんが、勝手にほざいてろ。


もうビビる必要ないね。お前の声を気にしない。



ん?この女の子、さっき泣いてなかったか?


こっちを見つめている。


 聞いてみよう。同じように意識だけってことあるな。だとしたら不安だろう。


 近づいて、まぁ警戒されないよな。今の姿が子供だし、さっき助けたし。


 無表情で悲しげに、それでいて何か不思議なオーラを放っている。



お兄ちゃん、私達、抜けられないの…



 夢だってこと伝えてあげないと。ここは現実ではないから、いずれ目が覚めると…



私達のいるここは現実だよ…



ん~、そうだな…夢を現実に思うってこと解る。


その女の子はある方向に人差し指を向けて、


その方向を見上げると、おいおいおい!!面白いぞ。



海の上に扉、奇妙なデザインの。



あり得ないだろ。変な夢だな。



帰ろう…お兄ちゃん。



じゃ、ここにいても仕方ない。合わせるか。



 その女の子が手を繋いできて、突然浮かび上がり扉の前に移動してきた。


夢だから焦らないけどさ、普通ならビビるね。



開けろって?入れってことか。じゃ、とりあえず、


※ガチャ…※



……………………………………………………………



いてて…全身痛いな。ベッドに縛り付けられてる。


な、何で?病院?部屋?


女の子どこ行った?



【終了でございます。では早速】



※ゴン!!※











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