文学語り
志水命言
第1話・『桜の樹の下には』
春。それは、様々な始まりを意味する。窓外から見える桜の木も美しくほんのりと紅づき満開。今日から故郷を約六〇〇Km離れた東京の地での生活が始まる。
「
「……わ、あ、待ってよ!置いていかないでよ、お姉ちゃん!」
あれから大学の入学式や履修登録が終わり、川の水が流れて行くように、時も流れた。
自身のコミュ障のせいで友人作りにまた失敗した。そんな私の隣にはスマホの画面を見てニヤニヤする
「……庵李、何だい?さっきから俺を気にしている」
「してないよ……。で、何ニヤニヤしてるの?」
「おや、顔に出ちゃってたのか。ごめんね。これだよ」
そう言って町田はスマホの画面を見せた。スマホの画面いっぱいの桜。
「桜……」
「そう、桜だね。桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられない……桜の樹の下にはフフッ。
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