おかえり

俺たちは今 邪神の塔に行く為に 馬車に揺られている


このまま 王都には寄らずに 塔にそのまま乗り込むつもりだ


アンの町では出来るだけの準備をしてきた


子供たちは ギルマスの奥さんが面倒を見てくれる事となった


その時に 初めてギルマスの名前を聞いた 最初から現在にいたるまでギルマス呼びで


周りもギルマス呼びだったので気にしてなかった


ギルマスの名前はサボテン


アンを出発する前に お互いに話し合った


戦闘時連携が取れるように 出来ること 出来ないこと


ちなみにギルマスのクラスはサボテンマスターだ


サボテンの心を知り サボテンを愛し サボテンを自由に操るクラスらしい



邪神の塔に近付くにつれて 景色が酷い事になっていくのがわかる


大地が腐っているせいで 臭いもキツくなってゆく



マイケル そろそろ 邪神の塔に着きそうだぞ



少し 緊張してます 勇者パーティーですら敗れた相手ですから



まぁ やる事 やるしかねーさ


そういえば お前らのパーティーて呼び名はあるのか?



呼び名ですか?



そうだ 冒険者パーティーは大体 呼び名あるだろ



言われてみれば 考えた事なかったですね



塔に着く前に何か考えたらどうだ?



そうですね うーん


みんな モフモフだし リストの名前あるし 俺のクラスと同じ


モフリストにしよっかな


みんな どうかな?



この パーティーにピッタリですぅ


しっくりくるだす


良いと思うよ


素敵です



なら パーティー名はモフリストで決まりだ!




その様な会話をしていた時 馬車が止まった どうやら邪神の塔に着いたみたいだ


ちなみに 前日にウララが明日の占いをしたところ 俺が死亡するとでた


ウララの占いは殆ど当たったことはないが 気を付けていこう



ドガーーーーーーーーーーン!!!


いきなり大きな音がした!


慌てて馬車から降りると 見覚えのある姿


アテスが邪神の塔を殴っていた



硬いねー 破壊は無理みたいだ



そう言った後 すぐ飛び立ち 塔の上の方に飛んでいった


ガイーーーーーーーーーーン!!!


上の方で大きな音が響いた!


アテスが降りてきた


ダメだねぇ 塔の上の途中から結界らしきモノがあって頂上には行けなかったよ


セコい邪神だよ



俺に気付いたのだろう アテスが近付いてきた


久しいね マイケル 8年いや9年ぶりくらいか


んー かなり強くなったじゃないか!



あれから いろいろあって 頑張って 鍛えたんだ



あらあらあらあら


人族にしては 中々ですねぇ



魔族の女の人が近付いてきた アテスとは違うタイプの美人さんだ おそらく 三女のススだろう



美味しそうな匂い 食べちゃおうかしら



もの凄い速さでリストが俺とススの間に入り込んできた



食べちゃダメなのです! マイケルは私の旦那様なのです!



あらあら



マイケル お前 結婚したのか



はい 3年程前に結婚しました 子供もいます



そうなのです!



そりゃ めでたいな



おい そろそろ 行くぞ!



そう言って 1番大きい魔族とそれに続いて2人の魔族が邪神の塔に入って行った



1番大きくて盾と長剣を装備しているのが魔王ンデス


デカい大剣を持っているのが長男ソードス


デカい槍を持っているのが次男のゲンドダスだ アテスが説明してくれた



アテス 私たちも 行きますよ



邪神がどれだけ 強いか楽しみだ



ススとアテスも邪神の塔の中に入って行った



マイケル 俺たちも行こう



はい みんな 油断しないで 慎重にいくぞ!



塔に入り 辺りを見まわす


外から見ても 大きな塔だったが 入ってみると かなり広く感じる


あちらこちらから 戦闘してる音が聞こえる


どうやら魔族の皆さんは バラバラに行動してるみたいだ



とりあえず上に登る階段を探そう



俺たちとギルマスが纏まって行動していると 1体のモンスターが近付いてきた


青い大きな手 掌の真ん中に目がある 見た事も聞いた事もないモンスターだ



マイケル 俺がやる


サボテンボンバー! ボン! ボン! ボン! ボン!


うりゃー! サボテンショット! ドドーン!



青い大きな手は倒れて消えた



小さなサボテン4体が青い大きな手に走って近付いて爆発


そしてギルマスの周囲からサボテンを発射した


ギルマスはサボテンを自由に召喚しての攻撃スタイル


聞くだけだとイメージがあまり湧かなかったけど


実際見てみると 使い勝手の良いクラスに見える



階段を見つけたぞー!



声がした方向に進む どうやら魔族の皆さんは もう先に進んだらしい


俺たちも急いで階段を登っていく



ふぅ 10階に到着 まだまだ先は長そう ちなみにモンスターは大きな手しか出ていない


途中5階からは 大きな手の色が赤に変わった


火属性の魔法と沈黙の魔法を使ってきたけど それほど強いモンスターではなかった


まだまだ 余裕があるが油断せず行こう



10階からは黒なのか 黒い大きな手が襲いかかってくる


モリーが前に出る


俺は念の為に微弱のスパークを放つ ビリリ 魔法反射対策だ


よし 大丈夫


俺 ウララ サザビーが魔法を放とうとした時


黒い大きな手はモリーに向けて 黒いガスを吹きかけた!


スパーク! ローリングファイア! アイシクルランス!


連続で魔法をくらった 黒い大きな手は消滅した


モリー 大丈夫かぁ!


俺はすぐ駆け寄り モフヒールLV10を使う


大丈夫だす


モリーをよく見ると 石化が始まっている


あの黒いガスは石化ガスか!


俺はすぐさま モフキュアLV10を使った


モリーの石化が解けていく 良かった



一応 石化回復薬は持ってきたが 厄介みんな出来るだけ


あのガスはくらわないようにしよう



順調に登っていき 15階に到着 ここからは白か


白い大きな手が近付いてくる


モリーが前に出る


俺は微弱なスパークを放つ ビリリ よし大丈夫


白い大きな手は目から 少し大きめの泡玉をモリーにぶつけてきた


モリーは盾でそれを防いだ


スパーク! ローリングファイア! アイシクルランス!


高威力の魔法を同時に受けて 白い大きな手は消滅した


まだまだ余裕がある 俺たちは強くなってると思う


ん!? どうしたモリー?


突然モリーが俺たちに襲ってきた!



ギルマスが叫ぶ! アレは狂乱状態だ!



俺はすぐさま モリーにモフキュアLV10を使った



ごめんだす  モリーが落ち込んでいる



モリー 気にするな



どうやら 先程の泡玉に狂乱状態にする効果があったのだろう


盾で受け止めたはずなのに 少し泡がモリーにかかったのだろうか


でも種さえ わかれば 気を付ければ良いだけだ



それからも順調に登っていった そして20階に到着した


空が見える 下は落ちたら 即死だろう ずいぶん高く登ったらしい


魔族の皆さんは階段を登った近くで中央を見ていた



着いたか アレが恐らく邪神だ



邪神の姿を見る ただ静かに ずっと上を見ている


大きい 巨大な機械兵と同じくらいか


色は白よりの透明色


人族の様な形


目と鼻と口と耳が無い


顔だけを見たら どちらが前かわからないだろう


俺には敵の強さがわかる能力は無い


だけど邪神は次元の違う強さを感じる



これは まいったねー 全く勝てる気がしないんだが



アテスがそう言った



それでも やるしかない!


コイツは時間が経てば経つほど強くなる



そう言って 魔王ンデスは剣を抜いた



魔王ンデスはゆっくりと邪神に近付いていく


もう少しでお互いの間合いに入ろうかとした時


何かの危険を感じたのだろうか 魔王ンデスはサタンガードを発動した!


[説明しよう] 魔王ンデスの固有アクティブスキルであるサタンガード

周囲全ての攻撃を自身に引きつける

60秒間全ての攻撃無効

クールタイム6日間 使用後6時間 攻撃力が60%ダウンする


その瞬間 邪神は神雷を放った!


[説明しよう] 神雷

周囲全域に神の雷を落とす

雷属性 無効と反射を貫通する

この神雷のダメージを受けた者は必ず即死する


ズガーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!


魔王ンデスに周囲に落ちる神雷が全て集まり貫通し直撃した!


凄まじ過ぎる威力で魔王ンデスは塵となって消えた



親父…



死せる魂 発動!


アテスが ソードスが ゲンドダスが一斉に邪神に襲いかかる!


ススは全員にバフを何種類もかけている


俺たちも攻撃を開始した


3分くらい経っただろうか 全員が持てる最大火力で攻撃している



しかし 全く 手応えがない


たった3分だが 皆かなり疲弊してるのがわかる



次元の違う強さ これが邪神なのか



攻撃は ほんの ほんの僅かではありますが効いてはいます


ただ 邪神のHPが異常に多過ぎるのです 1%も削れていません


普通の方法では倒すのは無理でしょう


ススが力無く そう呟いた



その間にも 邪神の攻撃がどんどん激しくなっていく


それでも戦うしかない 今 邪神を倒さないと世界が滅ぶからだ


そして もう1度神雷を撃たれたら全てが終わる


皆がそう思いながら戦っている



さらに1分くらい 経っただろうか


もう 誰1人 無事な者はいない 皆どこか傷ついている 全員がギリギリ立っている


相当無茶をして戦っていた 隣にいるリストが膝をついた


その瞬間 邪神の攻撃がリストに迫っていた


俺は咄嗟にリストを庇った




そして 意識が途絶えた…









おかえり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る