願いの指輪

俺たちは宿屋で 明日 穴に持って行くアイテムの最終確認をしていた



ねぇ マイケル



どうした リスト



クエストをクリアしたら あの お姫様と結婚するの?



んー あの お姫様の事は よく知らないし しないんじゃないかな



だって すごく可愛い人だったよ…



正直 今まで結婚のことは 1度も考えたことがないんだよなぁ


結婚かぁ 俺も もう20歳だし そろそろ考えないとダメなのかなぁ


うーん 想像つかない


なぁ リスト 俺ってどんな人と結婚すると思う?



え!? し 知らないですぅ…



リストはそう言うと 後ろを向いて 寝てしまった




よし みんなも もう寝よう





次の日の朝 俺たちとポンタたちが穴に行く前に一緒に朝食を食べていると


昨日のお姫様がきた 皆様どうか ご無事で帰って来て下さい


そう言って 頭を下げた


良い子だなと 思った





そして 俺たちは穴に向かって出発した!



穴に行く途中 砂転がしが20匹程出てきたが


俺とポンタが協力して あっさり倒した



マイケル強いな!



ポンタもな!



不思議なほど息があう



穴が近くに見えてきた時 ボロボロの機械兵が4体穴から出て来た


あれが1番厄介と聞いてたヤツか



俺は少し弱めのスパークを広範囲に放った バリリッ!


機械兵4体は崩れさった



機械兵には雷属性が効きやすいみたいだな


頼りにしてるぜ



あぁ 任せとけ



そして 穴に到着した



真っ暗で何も見えない


松明をつけて 中に入っていく


中は そんなに広くはないが 深そうだ


俺たちと ポンタたちが同時に通れるくらいだ


慎重に進む



先にデカいのがいるな


ポンタの仲間センリが言った



少し先の大きめな空間に巨大なミミズがいた



あれは砂食いミミズだな



タンクのモリーとブロックが近付いていく



砂食いミミズが2人に襲いかかろうとした時


サザビーのアイシクルランスが砂食いミミズの頭部を破壊した!


ふむ 視界良好です



マイケルの仲間も強いなら



あぁ 自慢の仲間だ



さらに進む



これは 壁?



石材だろうか その壁に穴が空いていた


そして壁の中を覗くと見覚えがある光景を目にした


これは魔族領にあった 古代迷宮に似ている


ここも そうだと言うのか…



俺は そのことを みんなに伝えた



そうか なら また天使がいるかもしれないって事だな


ちなみに 今のお前 天使に勝てるのか?



わからない あれから俺も仲間も かなら強くなってるから もしかしたらとは思う


ただ 魔族領の古代迷宮には機械兵はいなかった



天使のことは頭に入れつつ 進もうか



そうだな



俺達は壁の穴を抜けて 古代迷宮?を進んで行く



途中夜営をして今日で3日目 慎重に進んでいる


道中 ボロボロの機械兵が200体ほど ぐるぐるヘビが5匹出て来た


ヘビが出るのは ありがたい食料には困らなそうだ


嬉しい誤算があるとすれば 魔族領の古代迷宮とは違い ほぼ一本道なことだ


とりあえず道なりに進んでいる



進んでいると 少し先に大きいフロアが見え そこには8体の機械兵がいた


今までの機械兵より大きいし 装備も大きな銃になっている


左側の4体は俺達がやる 右側の4体をポンタ達でどうだ?



ああ それで良い



よし いこう!



モリーとブロックがそれぞれの方向に向かって行く


モリーは守護の盾を使う(味方全体の被ダメージを20%減らす)


ブロックはプロテクションを使う(味方全体の物理防御力を20%上げる)


機械兵が気付く前に先制攻撃をする


俺はスパーク ウララはローリングファイア サザビーはアイシクルランス


それぞれ 1撃で確殺していく 残りの1体をリストが倒した


ポンタの方は1体倒した所だった


俺達はすぐに援護に入る



ふぅ 無事に倒せたな



マイケルパーティー強いな



人数多いし それにLV上げ頑張ったからな


それにしても ここには兵士や冒険者が来てるはずだが


遺体とか装備品とか それらしき物が一切落ちて無いな



機械兵が回収してるのかもな



4日目の夜営 今夜はメルヘンが鍋でヘビ料理を作っている


なかなかに 美味しい


メルヘンはお料理上手みたいだ



しかし ここは 何なのだろうな?


全く 見当もつかないよ


不思議なことだらけだ 機械兵 そしてこの古代迷宮?は めちゃくちゃ明るいな



そうだな その点は楽で良い



その時 遠くから機械兵が来る足音が聞こえた


来るぞ!



今までで1番大きい機械兵が現れ


遠くからミサイルをドンドンドンドンと4発撃って来た!



そのミサイルを俺が広範囲スパークで撃ち落とし


また すぐにスパークを機械兵に放った ズガーーーン!


機械兵は倒れて動かなくなった



機械兵にはマイケルだな



相性が良い敵で助かるよ



さらに進んでいると 先ほど8体いたフロアより さらに大きいフロアが見えた



デカい



どんどん機械兵が大きくなっていくな アレ10m位あるぞ それが2体



今まで通り 俺達が左側で ポンタ達が右側頼むよ



了解だ!



さぁ いこう



俺は先制でスパークを放った


ん!? スパークが当たる瞬間 鏡の様なモノに当たるような感じがした


そして 俺が放ったスパークが俺に反射して来た


あぶっ! 俺は間一髪で回避した


今のは危なかった


コイツ 魔法を反射するぞーーーーーー!!!


俺は大声で叫んだ!


魔法が反射されるとなると 棒での攻撃かみんなの援護だな


正直 魔法が効かないとなると パーティー火力はかなり落ちる


まずは俺 そしてウララは魔法特化 サザビーも魔法特化


ここは リストとモリーに頑張ってもらうしかない


モリーは守護の盾を使い 機械兵に突っ込んでいく


俺はモフを応援LV10(モフ系に全ステ15%アップ)を使った


モリーに機械兵が集中してる隙に


リストはもの凄い速さで機械兵の後ろをとる そして機械兵の両足を切断した


倒れたところで 頭をかち割った


一緒に冒険してて 改めてわかるリストの強さ 安心感が半端ないです!



ポンタ達の方を見ると 何とか倒せそうだった ポンタ達のパーティーは物理より


ポンタは大剣と少し火属性魔法が使える


センリは長剣と短剣の二刀流 索敵や罠解除が得意らしい


ブロックはタンクで杖を持ち 光属性魔法が使えて 回復魔法を使える


メルヘンは弓と風属性魔法を使える



このまま 倒せそうだが 一応援護しよう



結構強かったな



そうだな これ以上 大きくなるのは勘弁して欲しいよ



5日目の夜営をしている


あの魔法反射は厄介だなー



マイケル お茶 どーぞ



リスト ありがとう



その 魔法反射ですけどー


反射する瞬間を見た感じと 私が直接 機械兵を攻撃した感じからすると


魔法反射は機械兵の少し外側に何かしらの障壁がはられていると思うのですぅ


なので 機械兵に直接 触れれるほど近距離からですと魔法は通るはずですぅ


多分ですけどー


ただそれを やる時は近いので 自分に魔法軽減の障壁をかけておかないと危険ですぅ



なるほど 直接 触れる距離まで近付くのは大変そうだが やるしかないな



大丈夫です 私がいるのです 全て お任せあれなのです!



リストを見てると なんか 落ち着くよ



な なんですか いきなり



宿屋で結婚の事を話たけど 俺はリストみたいな人と結婚するのかもしれないなぁ



わ わ わ 私はカボチャですよぅ



リストは後ろを向いて顔に布を被せて寝てしまった



この時 本当に そう思ったんだ



そうか 俺は リストを…





次の日 さらにさらに 先に進んでいると


また大きなフロアが目の前に見えて来た


そこには 今までで1番大きな機械兵が1体いた



アレ20m近くありそうだな



1体だけってところは ありがたいが デカいだけあって 強そうだ



今回で最後にして欲しいな アレ以上デカくなられたら たまらん



みんな 準備は良いか?



さぁ いこう!



皆 出来るだけ 静かに近付いていく



モリーか守護の盾 ブロックがプロテクション


俺がモフを応援LV10 メルヘンが風の手LV10(仲間全員の素早さ20%アップ)を使う



その時 信じたくないことが起きた!



巨大な機械兵の後ろにある 壁が崩れて 巨大な機械兵と同じヤツが新たに2体現れたのだ!



おいおい マジかよ…



俺はすぐさま決断した


ポンタ達は右側のヤツを頼む!


リストは左側のヤツだ!


俺 モリー ウララ サザビーは真ん中だ!



みんな 生きて帰るぞ!!!



俺たちを敵と認識したのだろう 巨大な機械兵3体が同時に両腕を飛ばしてきた!


ロケットパンチかぁ!!!


リストは軽く回避


俺 ウララ サザビーも回避


モリーは直撃をくらった


モリー 大丈夫か!


だ だ 大丈夫だす


俺はすぐさまモリーにモフヒールLV10を使う



ポンタ達は ブロックだけがロケットパンチをくらっていた


だがブロックは自分に回復魔法を使っている 大丈夫なようだ


そして次はミサイルを何発も発射して来た


リストは自分に飛んでくるミサイルを全て斧で斬り落としていく


俺 ウララ サザビーは回避しながら魔法でミサイルを迎撃


モリーは盾と槍を上手く使いながらミサイルをさばいているが 何発か被弾した


俺はすぐさまモフヒールLV10を使う



ポンタ達はメルヘンの風魔法で事なきを得ているようだ


基本的に風魔法の使い手には弓や投石などの遠距離物理攻撃は通じない ロケットパンチもそうなのだろう



巨大な機械兵は遠距離攻撃を諦めたのか 今度は両手に高出力エネルギーの剣を出して襲ってきた



あれは くらったら ヤバいな…



リストは難なく回避しながら巨大な機械兵を斬りつけている


流石のリストでもなかなか決定打には欠けるようだ


装甲がかなり厚い それでも徐々に追い詰めている


リストの方は心配なさそうだ



問題の俺 モリー ウララ サザビー


試しに微弱のスパークを放ったところ しっかりと反射した


どうにか近付かないといけない


モリーは巨大な機械兵の前に立ち 盾と槍で何とか攻撃を受けないようにしている


俺 ウララ サザビーは巨大な機械兵を囲むように隙を窺っている


そして最初にウララが左膝に触れた 零距離からのローリングファイア ボガァァァン!!!


かなりの損傷だ 巨大な機械兵は膝をついた どうやら魔法防御は高くないらしい


このチャンスを逃すわけがない!


俺は右脛に零距離からのスパークをぶっ放した ズガーーーン!!!


巨大な機械兵の右脛は完全に破壊された 両足を破壊されもう立つ事は不可能だろう


そこへサザビーが空中から近付き 巨大な機械兵の頭頂部へ零距離からのアイシクルランスをブッ刺した ズシャーーー!!!



俺はポンタ 気の合う仲間達と旅をしている


最近 旅の途中で出会った マイケル 良いヤツだ


アイツがソロだったなら 間違いなく仲間に誘っていただろう


こんな 感覚は初めてだ 俺には両親がいた記憶はないが


マイケルは父親のような 親友のような 昔から知っていたような気がする



ちゃんと みんなで生きて帰らないとな


巨大な機械兵 かなりの強敵 しかも3体もいる


出来るだけ 早く倒したい 倒せれば それだけ他が楽になる


ブロックはいつもながら 堅実にタンクをこなす


センリは状況判断が素晴らしい 今も撹乱している


メルヘンは的確な弓で急所を攻撃 魔法で味方を援護してくれる


ここは一気に決める


みんな アレを使うぞ!


超えろ! 極限世界!!!


[説明しよう]ポンタの固有アクティブスキルである極限世界

時間を3秒間止める

3秒間全ての敵の物理防御力0魔法防御力0にする

3秒間自身の全ての能力が3倍になる

クールタイム7日間 使用後LVが3下がる



くらえ! クマゴロし!!!


[さらに説明しよう] クマゴロし

単体攻撃 斬打属性

クマ系に特効

怨念のこもった強力な一撃を叩き込む



ドゴーーーーーーーーーーーーン!!!




ほとんど同時に3体の巨大な機械兵は倒れ動かなくなった



皆が安堵し集まり始めた時



突然 巨大な機械兵からピーピーピーと音が鳴った


そして 補助電源作動しますと聞こえた


3体が身体を引き摺りながら集まり出して 合体しようとしている!









だが それぞれの損傷が激しくて合体は無理そうに見えた



もう しつこいのです



リストが合体出来なかった巨大な機械兵に駆け出しジャンプ



トドメを刺した




ふぅ なんとか なった



みんな 無事でなによりだ



辺りを 見まわす この大きなフロアには1つの扉


そして壁を壊してきた巨大な機械兵が2体いた大きなフロアにも1つの扉を見つけた



センリが両方の扉の前に行き 何やら調べている



どちらも 問題なさそうとのこと



扉の中に入ると 両方の部屋には よくわからない装置が沢山あった


これは いったい何なのだろうか 答えは出ない


辺りを調べたが どうやらここで 行き止まりみたいだ



とりあえず この事をギルドに伝える為に帰還することにした


帰りは スルーした道を1つずつ 潰していく


まだまだ機械兵はいたが 巨大な機械兵はいなかった


そして10日かけて入口まで戻ってきた 恐らく 全ての機械兵は倒したはずだ



日の光が眩しい







今 俺たちは宿屋で待機している


穴より帰った後 ギルドに結果を報告すると アッシュの兵士と研究者が調査しにいくそうだ


その調査の結果が出るまでは この国で待機してて欲しいとのこと


そして1ヶ月程たった頃 王様に呼ばれた




楽にしてくれ


調査の結果 もう異常は無いと結論を出した


感謝する


そう言って頭を下げた お姫様も良い人だけど王様も良い人そう


約束どおり 褒美をとらせよう


何が良い?



俺とポンタは事前に話あってた


俺は お金ならある程度あるから 秘宝


ポンタは最初から お金らしい



俺は秘宝でお願いします


俺はお金でお願いします



あい わかった すぐに渡そう


ところで娘はどうだ? おぬしらのような強者なら安心だ



俺には好きな人がいるので すいません



俺は まだまだ世界中を旅するので 結婚はしないです



そうか それは残念だ



いつでも また この国に寄ってくれ 歓迎する






俺とポンタは抱き合っていた


そろそろ お別れだな


あぁ 生きていたら また何処かで会えるさ


そうだな…



ポンタ達はアッシュからラクダに乗って南を目指すらしい



またな 兄弟!









久しぶりに家に帰って来て みんな まったりとしてる



帰り道と今もだけど リストがずっと黙ったままだ どうしたんだろう


リスト 具合でも悪いの?



・・・マイケル 好きな人 いたんだ



え!?



だって 王様に…



あぁ そうか


リスト ちょっと 外に出ないか



俺たちは 願いの丘に向かって歩いている


夜だけど 月があるから割と明るいな


リストは黙っている



願いの丘に着き 2人 海を眺める



リスト



リストが振り向く



俺は跪き 指輪を差し出す



えっ これって 願いの指輪!?



リスト 俺と 結婚して欲しい



長い沈黙が流れる…



私 カボチャだよ



知ってる



目 空洞だよ



知ってる



光合成するよ



んー それは わからない


けど


君が 良いんだ



ゔれぢぃ



俺とリストは抱き合い



お互い 初めての キスをした





月明かりが2人を優しく照らしていた

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