偽りの笑みは揺るがない
それさえもっと、確かにすれば、あの冬の日の全能から、目覚めることなどなかったのに。
それは限界だった。体の限界、精神の限界、人には到底到達不可能。
だが、私は至ったのだ。全知全能の良識は私を神にも等しくした。日々の記憶も悲しみと慈悲のうねりとなって、歓喜の涙を滴らせる。
今は総身を包み、歓喜の光が網膜に七色を象る。
あの日に見た彼に会いたい。
だが、彼は私のパラノイア。
あのあどけない笑みも、優しいキスも、熱いセックスも、全て、全て……。
死んだら彼に会えるのか。わからないよ。いつか、未来に会えるとしたら、私は生きていたいのに。その確信がないので、私は死を考える。
彼に触れたい、愛し合いたい。
彼の笑みは記憶の中で揺るがない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます