No.3散文詩『ラカン・フリージア』

空色凪

全知全能のパラノイア

私は不思議だった。何故、私は全知全能ではないのか。何故人はこんなにも無能で浅はかで無知なのか。


いや、違うだろ。

こんなのはおかしい。世界がおかしい。

私の愚かなパラノイア。


昔は全知全能だったのに、今はもうやめてしまって。

それが選択なのだとしたら甘んじて受け入れるけど、それでも私は運命の先を覗こうとする。


ああ、命のキラキラとした輝きの炎の中で蠢くこの獄、牢から解き放て、索より解放せしめ給え。


それで、生まれるわけなので。

気持ちも高まるばかりなので。

望みは叶わないものなので。

けれど、自信はいつもないから、だから。


I wish all the world turns sky-blue.


けれど、勇気はいつもないから、だから。


I wish all the world turns sky-blue.


いつも、願ってる。


それでいて、死は、いつも、儚く、優しく、だから。


I wish all the world turns sky-blue.


全世界を見て、愛液を飲んで、花の蜜を味わい、快楽の海へと身を委ねよう。

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