背中の宝物

 うちの亀は金魚を一尾飼っている。甲羅が水で出来ている種類なので、そこに生き物を住まわせる事が出来るのだ。優雅に甲羅の中を泳ぐ金魚達はいつもこの子が自分で選ぶ。長すぎる亀の寿命に付き合いきれなくて次々と死に別れるしかないのだとしても、皆宝石みたいに美しい。

「うんうん。今日もお魚綺麗ねえ」

 褒めながら、これで何尾目だっけと考える。何度失っても共に生きる事を諦めないこの子の事を、私は少しだけ尊敬している。

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