第445話 ごめん寝
ちょっと引きながらぷる君の話を聞いたら、恐るべき事実を知ってしまった。
なんと、ぷる君はスライム種でゲームを始めたら、突然『もふもふ神さまの尻に敷かれたい』っていう欲望が生まれたんだって。
「ひぇー……なんかごめん」
思わずごめん寝を披露した。
これ絶対、僕の称号【スライムキングを尻に敷く】のせい!
ぷる君はスライムキングではないらしいし、ちょっとおかしな感じに称号効果が出ちゃってる気がするけど。
運営さーん、ヤバいバグが誕生してるよー! メール送ったから、早く修正して!
「え、全然大丈夫です! むしろなんで僕は謝られてるんですかね?」
ぷる君は慌てながら、「顔を上げてください!」と許してくれた。
謝罪した理由については黙秘させてください。
「モモさんのごめん寝ポーズ、超貴重ショット……!」
「撮ってもいいけど、みんなに見せて広げないでね」
「了解です! 私の宝物にしますね!」
パシャパシャとスクショを撮ってるタマモに注意しつつ、よいしょっと体を起こす。
僕の隣で、真似してごめん寝ポーズをしていたラッタンが『もういいのぉ?』と首を傾げながら立ち上がった。
よくわからないのに一緒に謝ってくれるラッタン、優しいね!
「とりあえず、謝罪の一環として、ぷる君のレベリングを手伝うよ」
「尻に敷いてくれたら、それでいいんですけど……」
「ごめんね」
再びごめん寝ポーズをしようとしたら、ぷる君に慌てて制止された。
ぷる君は残念そうにしてるけど、僕はプレイヤーを尻に敷いたなんて悪評を立てられたくないよ……。
運営さんがバグを修正してくれるはずだから、もうちょっと我慢しててね。
「えっと、それじゃあ、よろしくお願いします?」
「お任せあれ。ラッタンもレベリング中だからちょうどいいねー」
「らぴゅ(ぷるぷる、一緒に戦うのぉ?)」
「ご一緒させてもらえるの、光栄です!」
ツンツン突っつくラッタンに、飽きずにペシペシと叩き返して遊んでくれてるぷる君は本当に優しいな〜。
だからこそ、早くバグ修正してあげてほしい!
「あ、ぷる君、レベルはいくつ?」
「3になりました!」
「弱っ!? ……あ、ごめん、つい……」
器用に三つの指みたいなものを頭に作ってぷる君が教えてくれたけど、レベリングが遅すぎてビックリしたから、それにツッコミを入れるどころじゃない。
思わず漏れた僕の本音に、ぷる君が「これでもスライムを倒してがんばってるんですけどねー」と朗らかに返してきた。
僕の言葉がぷる君を傷つけてないみたいでよかったー。
「でも、レベル3で
どうしても気になったから聞いちゃう。
レベル3だったら、ぷる君が咄嗟にバトルから逃げ出しちゃうのも当然だよ。むしろよく捕まらずに逃げ出せたって、褒めていいくらいだ。
「どうやら、ぷる君はプレイヤーに抱えられた状態でバトルに参加して、経験値だけ獲得させる計画だったみたいですよ」
タマモがスクリーンを見ながら掲示板で入手した情報を教えてくれた。
戦うのは他のプレイヤーがして、ぷる君はパーティメンバーに分配される経験値を入手する予定だったみたいだね。
「それがどうして一人で逃げる羽目に……?」
「あはは、それは僕が
理由を説明したぷる君は、のほほんと「ここでもふもふ神さまたちにお会いできて良かったですー」と話を締めた。
ぷる君って、おっちょこちょいかな? それともタマモ似の不運体質? いや、でもレベル3で
「……そっかぁ。でも、レベル3だったら、どうレベリングするのがいいかなぁ」
いいレベリング法があるといいんだけど──と考えながらぷる君を見て、僕はパチパチと目を瞬かせた。
ぷる君ってスライム種だよね。正確に言うと『ウィンドスライム』っていう風属性のスライムらしいんだけど。
初期スキルは風魔術などの各種魔術や体当たりなどの物理攻撃、体力・魔力回復などのバフ系、そして種族固有スキルの【分解】【吸収】。
プレイヤーは初期スキルを自由に選択して覚えられるから、普通のレベル1スライムよりは強いはずなんだ。
初期ステータスが低いから、敵を倒すのに時間がかかって、なかなかレベリングが上手くいかないだけで。
「……スラリンのレベリング法を試してみる?」
結構いける気がする。
バトルが上手く進むように、できたばかりのステータスアップポーションもプレゼントしちゃおう。称号効果が変な形で出ちゃったお詫びも兼ねて、ね。
「つよつよスライムと噂のスラリン様が、どうやって強くなったのか、秘訣を教えていただけるんですかっ!?」
「ほわっ!?」
目を見開いたぷる君に勢いよく詰め寄られて、ギョッと後ずさりした。
そんな大層なことじゃないんだけどな……?
──だって海で漁をするだけだし。
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