第22話 天塚地下トンネル事件
天塚地下トンネル事件は、2000年、天塚市の新設ポンプ場地下トンネルでのガス漏れ事件と、その裏で起きていた神隠し事件およびその隠蔽のこと。
天塚市は2000年当時、ポンプ場と地下トンネルの老朽化に伴い、新たな地下トンネルが完成予定だった。完成と稼働を前にして、新設された地下トンネルの見学を行うと発表し、いくつかの市民団体や小学校の社会見学などが行われる予定になっていた。
そしていよいよ最初の見学日に、招待する形で地元の小学生たちが見学を行った。
これはA小学校の五年生たちであり、学年三クラスと、引率の教師五名、そして当時の校長が同行した。
また、地元新聞の記者がその様子を撮影、インタビューもすることになっていた。
しかし見学中、一部でガス漏れが発生した。中で気分の悪くなった小学生もいたため、安全のためすぐに引き返すことになった。しかしその調査のために地下トンネルは三ヶ月ほど使用を延期。このときガス漏れの調査も行われ、問題はないということになった。
しかしこの事実の裏では、子供たちが大人を含めて一ヶ月近く行方不明になっていた事実が隠蔽されている。
現在残されている資料によると、見学ルートはポンプ場内からはじまり、ポンプ場の役割についての解説を受けたのち、地下トンネルに入るというものだった。しかし地下トンネルに入ったあと、昼を過ぎても帰ってこない一団に対してポンプ場職員と残った教員が焦り始めた。
付き添いの教員に携帯で電話をかけてもつながらず、かといって一向に帰ってくる気配がない。地下トンネルは迷うような構造ではなく、そもそも横道には入らないルートであったためなにか事故でもあったのではないかという話になった。またこのとき、小学生の見学に地元新聞の記者が一人ついていっていたが、その人物とも連絡がとれなくなっていた。
ついには警察を呼んで捜索が行われたが、監視カメラの映像や探しに行っても見当たらず、それどころか探しに行った警察も小学生とすれ違うことさえなかった。
捜索が一週間ほど続いたあと、捜査は打ち切りとなった。またこのとき、ガス漏れが考えられるとして地元住民や新聞社でさえ近づかなかったという。
しかしその一ヶ月後、唐突に見学を行っていた一団が帰ってくることになる。見学を行っていた大人を含む小学生たちは全員、ほんの一時間程度しか経っていないと認識していたという。この事件は当時、地下トンネルの取材に訪れていた記者数名がスクープとして取り上げたが、続報もないままになった。
なぜこの事件が残っているかというと、当時のインターネットサイトの掲示板や裏サイトなどで取り上げられ「知る人ぞ知る事件」という扱いになっていたからに他ならない。ただし「一ヶ月後に帰ってきた小学生はみな何かに乗っ取られていた」のような憶測や陰謀論に近い書き込みもあるため、真相や真実を語るものがどれだけいるかは不明。
現在、この隠蔽事件のほうを取材しようとしても「そんなものはなかった」「当時のネットの遊びのようなもの」ということにされている。
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