同じ青空「そら」の下で

@aomaru47

第1話

「幼馴染」


ある街の青い屋根の一軒家、

ここに一人の青年が寝ていた。


すると部屋に母親らしき人物が

起こしに入ってきた。


そしてカーテンを開けると眩しい日差しが、

青年に差し込む。


彼の名は赤石拓馬15歳。

身長は170センチ。

漫画とアニメそしてゲームが好きな高校生で、

成績はいい方。

髪型はスマートウルフカットで、

少し茶色かかっている。


「ほ〜ら拓馬、いつまでねてるの!

早く起きないと学校遅れるわよ!

今日も紗奈ちゃんたちと学校行くんでしょ。」


母の名前は赤石麻耶35歳、明るい性格だ。

いつも髪型は後ろで絞ってある。


「うん、わかってるよ〜。」


と、拓馬は寝ながら返事をした。

拓馬は眩しそうに起き上がり、

窓の外を見て下におり、リビングへと向かった。


リビングに着くと父が座って

コーヒー片手に新聞を読んでいた。


赤石隆也35歳、無口だが優しい。

メガネをかけていて七三分けにしており

会社が終わると少し崩れている。


七三分けの状態でその日の機嫌が大体わかる。

ビシッとしている時は機嫌がよく、

逆に崩れている時は

機嫌が悪いもしくは疲れている。


実は話すのが大好きのようで

なぜ無口なのかは

話しかけるタイミングがわからない

だけのようだ。


「父さんおはよう」


「うん」


拓馬は父に挨拶した後

椅子に座りテレビのニュースを見ながら

朝食を済ませた。

そして自分の部屋に戻り

学校に行く準備をしていると、

外から何人かの声がした。


「おーい拓馬っちおいてくぞ!」 


最初に声を発したのは

拓馬の小学校からの付き合いで親友の

科山優吾15歳。

お調子者のチャラ男系男子で、

赤っぽい色のショートのツンツンヘアー。


実家は居酒屋を経営しており

休みの日になると手伝っている。

兄弟はいないが拓馬とは

兄弟のように仲が良い。


「もぅ優吾たら大きい声出しすぎよ」


次に声を発したのは

こちらも拓馬の小学校からの付き合いの

華花桃香15歳。

4人兄妹の長女で髪型は黒色ロングヘアーで

しっかり者。


中学時代はバスケやっていて、

運動神経は超抜群。


下の双子の兄妹の面倒をよく見たり

母親の手伝いをしている。


「まぁまぁ桃香、元気が1番だよ」 


最後に声を発したのは

拓馬の保育園からの幼馴染の

神山紗奈15歳。

今は母と二人暮らし


愛犬のペロの散歩が毎日の日課。


茶髪ショートのポニーテールの髪型で

ポジティブ思考の持ち主でもあるが

それと同時におもっていることを

溜め込んじゃう性格のようで

そのことで周りを困らせることもしばしば


この3人と拓馬はいつも一緒にいる

幼馴染の四人組だ。


3人の声がしたのを聞き拓馬は窓を開け

みんなの方を向き、


「おはよう、悪りぃ今行く」


「早くこいよ!」


とみんなに一声かけた拓馬は制服に着替え

玄関に向かった。


玄関につき靴を履いていると、


「気をつけて行くのよ」


と母麻耶が、

お見送りをしに玄関まで来た。


拓馬は靴を履き終え

立ち上がり玄関のドアを開けながら答えた。


「うん!行ってくる」


そして拓馬は扉を出て3人のところへ向かった。


母麻耶は拓馬を見送りリビングに戻ると、

父隆也が仕事に行く準備をしていた。


すると隆也は会社に行く準備をしながら、

麻耶に話しかけ始めた。


「拓馬はもう行ったのか」


「えぇ昔と変わらずに、

紗奈ちゃんたちと一緒に行ったわよ」


と昔を懐かしみながら

そう答えた麻耶に隆也も


「昔からか時間の流れは早いもんだな

最近中学入ったと思ったらも高校生か

ほんと長いよな、紗奈ちゃんたちとは」


「そうねそれよりあなたは良いの?

仕事に行かなくて」


「あーこれで行く」


麻耶にそう言われた隆也は、

鞄を持ち玄関へ向かった。

そして母麻耶もお見送りのため玄関へ。


靴を履いている隆也に麻耶が話しかけた


「そうだ!ねぇあなた

今度科山さんのところでまた集まりましょうよ」


「それは良い案だな」


『もちろんあなたも参加するわよね』


すると靴を履き終えた隆也が

カバンを持ち立ち上がり、

振り向きざまに言った。


『参加するに決まっている

科山さんたちと飲むのは、楽しいからな』


仲良し四人組は家族同士でも仲が良い。


よく飲み会や子供たち同士で遊んでいる時は

親同士で優吾の実家でよく

食事会をしているのだ。


楽しみにしながらそう答える隆也に

笑顔で麻耶は答えた


「えーそうね私たち四家族は仲良しだものね」


「まぁな」


それに隆也は返事をし隆也は家を出た


お見送りを済ませた麻耶は


『さてと、やる事やっちゃいますか』


そう独り言を言うとリビングに行き、

飲み会が楽しみにしながら鼻歌を歌い、

洗い物をしている麻耶であった。


場面は家を出た拓馬


「みんなおはよう」


「おう」


「拓馬おはよ!」


「拓馬ったら遅いわよ」


「悪い悪い、じゃあいこうぜ」


と、拓馬が挨拶をすると、

優吾、紗奈、桃香順番に返事をして

一同は学校に向かった。


歩き始め少しすると拓馬は紗奈に話しかけた


「紗奈、今日も薬は持ってきてあるよね」 


「あ!忘れちゃった」


すると拓馬は心配した

それもそのはずだ


神山紗奈は幼い頃から体が弱く

喘息の薬を持ち歩いている。


拓馬たちはそれをよく知っているため。

定期的にちかくにいて何かあった時ように

臨機応変に行動できるようにしてある。


特に拓馬は幼い頃から知っているため

3人の中で1番心配しているのだ。


「おいおい大丈夫か

ちゃんと薬は持っといた方がいいぞ」


「大丈夫最近は体の調子も少し良くなってきてるし」


「いやでもな」


と、心配する拓馬をよそ目に

紗奈は不思議そうに質問した


「拓馬っていつも私こと気にしてくれてるよね」


それに拓馬は、


「あ、当たり前だろ。俺らは保育園の時からだからな

そりゃあ心配するに決まってるだろ」


拓馬が心配していると紗奈は

拓馬が心配してくてれいるのが嬉しいのか


紗奈は拓馬の前へ行き腰に手を当て体を傾けながら笑顔で答えた


「拓馬!いつも心配してくれてありがとうね」


紗奈の後ろにあった桜並木と相まって

拓馬は、おもっきりドキドキした。

それもそのはず拓馬は紗奈のこと好きなのだ。


中学時代から意識し始めた拓馬は、

告白する勇気がなくいつの間にか

高校生になっていた。


ちなみに紗奈も中学時代から拓馬とは

付き合いと思いつつも、

自分と付き合っても迷惑ばかりかけるからと

告白ができていないのだ。


「お、おうそれより薬はなくていいのか」


『あ!それなら』


と先ほどの話に戻そうと紗奈に再び

質問されたので紗奈が答えようとすると

二人の話を聞いていた桃香が答えた


「予備なら確か保健室にあるわよ。

紗奈のお母さんが忘れた時用に置かせてもらっているみたい

そうよね紗奈?」


『うん!桃香の言うとおり。

だから拓馬、心配いらないよ』


「そうかなら良いんだけど

だけどね紗奈これだけは

覚えといてほしいから聞いてほしい」


『うん、なに?』


薬があるのはわかったがそれに頼るのは良くないので

拓馬は


「あんまりわすれないでね

必要になった時なかったから困るから」


拓馬は安心しつつも、紗奈に注意を促すと…


「うん、わかった」


そう言われた紗奈は

元気よく返事をするのであった。


先ほどの会話から間も無くして

優吾が紗奈に話しかけた


「そういえばさ今日の体育はやるの?」


「うん、やるよ。

だけど発作出たらすぐに辞めて見学するけどね

今日なんだったっけ」


「確か50メートル走だったわよ」


「そっかじゃあ発作が出ない程度に走ろうかな」


「お!じゃあ今日やるのか楽しみだ、

な!拓馬っち」


「おう!そうだな」


先ほども言ったが紗奈は喘息持ちだ。

そのため小さい時から体育は喘息が

出ない範囲でやっており、


体育はやらない方が多いのだ。


なので幼馴染組は

一緒にできるのが楽しみなのだ。


けれどやはり心配なので

無理をしない程度にやってほしいものだ


紗奈が無理しないでやるって聞いて


「うんうんそれがいい」


と思っていた拓馬であった。


そんなこんなで拓馬たちが通っている、

鴨ヶ原「かもがはら」高校に着いた。


学則は厳しくなく、

髪の毛染めるのもありなほどゆるいのだ。


この高校はクラス替えがない。

なのでクラス発表の時四人は、


「あぁ神様、同じクラスにしてください」


と願っていたのだが…

偶然にも四人は同じクラスになれた。


拓馬と優吾が靴を履きながら話していた。


「そういや優吾」


「ん?なんだ拓馬っち」


「今日こそ宿題忘れてないよな?」


その言葉にビクッと反応をした優吾を見て

拓馬は、


「はぁ、忘れたんだな」


と返事をした。


拓馬がこうなるのも無理がない。


いつも優吾はやらないかやっても忘れてくる。

なのでいつも拓馬はほぼ諦めモードで

聴いてるのだ。


「あのなぁもう高校生なんだから

良い加減、提出物の期間は守ろうぜ」


拓馬は優吾のおふざけに

乗っかることもあるが、

普段はしっかりしている。

なので提出物等は守るようにしているし

優吾にも守るように注意を促しているのだ


今回もやはりと言わんとばかりに優吾が

宿題を忘れたので拓馬が呆れていると…


「それがさ聞いてよ拓馬っち

家が忙しくて手伝いしていて

できなかったんだよどうしよう拓馬っち」


っとこういうふうに家の手伝いなどして

宿題ができないことも優吾にはあるので

そう言う時は


「それなら先生に言えばわかってくれるだろ

あの先生めんどくさがりやだけど

根はいい先生だからよ」


「拓馬っちそうだよねわかってくれるよね」 


「俺からも説得してやるから」


「ありがとうさすが拓馬っち」


拓馬たちの先生は少し融通がきく先生で

言えばわかってるくれる良い先生なのだ


と言うぐらいに優吾をフォローした

拓馬であったが、

そこに話を聞いていた紗奈が

二人の会話に入ってきた


「もー優吾くんったら何言ってるの

昨日うちに来て料理振舞ってくれたじゃん」


優吾はギクとおもった

と同時に桃香も会話に入ってきた


「え!それほんとなの紗奈?」


「うん!優吾くんのお父さんが作った

もつ煮込み美味しかった〜」


「確かに優吾の親父さんが作る

もつ煮込み美味いよな」


優吾家の居酒屋で作ってるやつは

幼馴染組のメンバー家に差し入れが来るのだ。


その中でも

もつ煮込みは特に人気で、

他の差し入れのたびに持ってきて

もらっているのだ。


紗奈と拓馬がもつ煮込みの優越感に浸ってるのを差し置いて桃香はて


「さてはまた優吾嘘ついたわね」


と、優吾を問い詰めていた

っとこのように嘘をつくこともしばしばある

そういう時は優吾は拓馬に…


「拓馬っちどうしよう泣」


と、すぐに泣きつくのだ


拓馬は呆れてものも言えなかった

はぁ、とため息をつき髪をかきながら

拓馬は優吾に話しかけた


「今回は自力で頑張れ俺も騙したんだからな

素直に頼めばよかったのに」


「そんなートホホ」 


素直に言えば助けてあげるのだが

今回の場合、素直に話さずに

嘘をついたため懲らしめとくことにした

拓馬であった


優吾が落ち込んでることろを3人が笑っていると

一人の教師が話しかけてきた


「おー仲良し四人組じゃねぇか」


「あ!佐原先生おはようございます」


そう彼こそ拓馬たちのクラスの担任の

佐原智也40歳

髪の毛はボサボサしていて髪をかくのが癖になっている


すると佐原が紗奈に話しかけた


「そうだ、神山今日は体育休むのか」


「いえ!今日はやります。」


「そうか、わかった。

けどあんまり無理はするなよ

神山に倒れられると色々と面倒だからな」


「はい!わかってます

みんなの迷惑かけないようにやります」


すると髪をかきながら佐原は答えた


「おう、頼んだぞ

呼び止めて悪かった急いで教室に行けよ

もう時期朝礼になるからな

はぁ、職員会だりぃ」


そういい佐原先生は職員室に向かった


佐原はあんまり生徒たちとは関わらない。

ようにしているのだが、

何故だか生徒からの信頼は厚い。

 

その理由として教えるのは上手いのはもちろんのこと、

なんだかんだで生徒思いっていうのが

知れ渡っているのだ。


佐原が行ったのをみて、

拓馬が紗奈と話をし始めた。


「あの先生っていい先生だよな

紗奈の所だって気にかけてくれてるし」


「うんそうだね

あんなこと言ってるけど

根は生徒思いで良い先生だもんね」


するとその会話に優吾も入ってきた


「そうそう!普段はよ

だりぃ、とか めんどくせーな

とか言ってる割にはしっかり

教えてくれるよな」


そうモノマネをしながら優吾が言うと

それん聞いていた桃香が話に入ってきた


「そう思うなら宿題もやりなよ」


「そうだよ!どうしよう拓馬っち」


すると思い出しかのように優吾は慌て始めた

のを見た拓馬は


「たくしょうがねぇやつだな宿題は

もってきてるよな」


と、優吾に声をかけた


「おう迷ったけど持ってきたけど、

どうするんだ」


「朝の学活の前にやって提出しよう」


「拓馬っち!」 


「そのかわり特別だからな」


「ありがとう拓馬っち」


優吾はそう言いながら拓馬に抱きつくと


「うわ!ちょっと、わかったから離せ」 


それを聞いてた桃香が思ったまま口に出した。


「なんかそれ前にも聞いた気がする」


昔から優吾が宿題を忘れるたびに拓馬が

その面倒を見ていたのだ


それを聞いていた優吾は拓馬を離すと

拓馬は


「昔から変わってねぇな俺ら」


「そうだな」


昔から変わらないことを痛感し

そして四人は教室へ向かった


拓馬は教室に着くと準備を済ませると

一目散に優吾の席へ行き

なんとか終わらせることができた。


そして午後の体育の授業になり


みんな体操着に着替えてグラウンドへ向かい、

先生を待ってる時間

拓馬と紗奈が会話していた。


「なぁ紗奈」


「なに?」


「本当に体育やって本当に大丈夫か?」


と、再度体調のことを心配する拓馬に紗奈は


「もう、拓馬ったら心配しすぎだよ、

心配しすぎも良くないよ。

元気なうちに体動かさないと体力落ちるから、

なるべく体動かしたいんだよね」


「それもそうか

心配しすぎも良くねぇな」


そんな会話をしていると先生が来て

体育の授業が始まった。


そして準備体操をし終わり

この日の授業は朝桃香が言っていた通り

50メートル走


名簿番号順で二列に並び拓馬の隣には、

伊藤牡丹というメガネをかけた

黒髪のハーフアップヘア女子生徒がいた。


「伊藤さんよろしくね」


「う、うんよろしく」


「早速、赤石と伊藤位置についてくれ」


そう言われ二人は

スタート位置についた


「位置についてヨーイドン」


体育教師の掛け声と共に拓馬と伊藤は

勢いよく走り出した!


拓馬が先にゴールしその3秒後ぐらいに

伊藤がゴールした。


拓馬はゴールした伊藤に


「ナイスラン」


とこえをかけた。

その言葉に伊藤は息を切らしながらも


「あ、ありがとう」


と返事をした


すると拓馬は喉が渇いたので


「先生水飲みに行ってきます」


「わかった行ってこい」

 

先生に一言いうと拓馬は

昇降口に行き、

靴を脱ぎトイレ前の水道で水を飲むと

ついでに顔を洗った拓馬。


水を止めハンカチで顔と手を拭き

ため息をついた後ゆっくり歩き

下駄箱まで向かった。


向かっている間拓馬は何か胸騒ぎがした

すると…


「赤石くん!」


前から同じクラスの清水昌也

と言うナチュラルヘアーの男子が

走って拓馬の所に来た


「清水かどうしたんだ?」


急いで駆けよって来た清水に

拓馬が聞くと清水は


「神山さんが走った後息がすごく上がって

華原さんと保健室に」


「わかった、教えてくれてありがとな清水。

先生に俺が神山さんの所

に行くそうですって言っといてくれ」


「わかった」


清水が返事をすると

拓馬は急いで紗奈がいる保健室に向かった


「紗奈!」


保健室につき扉を開けると先生はおらず

ベットに二人とも座っており

桃香は紗奈の背中を摩っていた


「大丈夫か?」


拓馬は座ってる二人のところに行くと


「薬飲ませたら落ち着いたわよ」


「よかった

桃香は落ち着いたって言ってるけど

本当に大丈夫か?」


と、確認のため紗奈に聞くと


「う、うん

少しずつだけど落ち着いてきた」


それを聞いて拓馬は安心した

そして…


「桃香、あとは俺がそばにいるから

授業に戻ってていいぞ。

俺がここにいるのは

清水から先生に言っといてもらったから」


「わかった

紗奈無理しなくて良いからね」


「うんありがとう」


拓馬がそう言うので桃香は後を託し

保健室を後にした


桃香が保健室を後にした後

拓馬は桃香の横に座った


「拓馬ごめん私

運動できるってなったら

張り切りすぎちゃった」


と言い紗奈は泣き出した

それを見た拓馬は揶揄うように紗奈を

慰め始めた


「心配した通りになったな。

気にすんなって、

たくお前は昔から体弱いくせに

一緒に遊びたいって言って、

その度に喘息発症してたりしてたよな」


笑いながら拓馬がそういうと


「だって私もみんなと遊びたかったんだよ

さっきも言ったけど

拓馬は心配しすぎだよ

少しは私のこと信頼してよ」


と紗奈が強く言った

幼い頃みんな外で友達と遊びたいと思うのが

普通である。


特に紗奈の場合、

幼い時体のことがあり、外で遊べなかった。


だから毎回のように拓馬たちにわがままを言い

一緒に遊んでは発作が出てしまっていた


最初こそテンパったものの、

少しずつたいしょできるようになり

いまではすっかり対処できるようになった。


泣きながら言う紗奈に拓馬は

紗奈より低い位置までしゃがみ込み、

紗奈の頭を撫でながら

慰めるようにやさしく話しかけた。


「それは違うよ紗奈

心配だからこそ紗奈に頼って欲しいし

つい甘やかしたりしちゃうんだよ」


すると紗奈はますます泣きながら


「そしたらみんなに迷惑かけるじゃん

そんなの私嫌だよ」


と大粒の涙を流しながら言う紗奈に今度は

紗奈の横に座り手を握りながら語りかけた


「みんなで紗奈を支えてきたから

今更わがままだなんて言わなくてもいいんだよ」


「でもわがままには違いないでしょ」


紗奈がそう話し終えると悲しい表情を浮かべていたのを見て、

拓馬はすかさず紗奈に話しかけた。


「俺はさ、紗奈はもっと人に甘えても

良いと思うんだよね」


「え、なんで」


「だって紗奈は

昔から病気のことで苦しんでるじゃん、

だからさもっと甘えて良いと思うんだよね」


「でもみんなに迷惑かけるじゃん

私は嫌だよ、

みんなに心配されるのも、迷惑かけるのも」


「そんなこと言ったら子供とか赤ちゃんはさ

親が面倒見るでしょ、

人は誰しも迷惑をかけるものなんだよ。


人っていうものはさ、迷惑やお世話になった分

恩返しをすれば、お互いに得するでしょ。

だから今はみんなに頼って、

いつかその病気を克服することができたら、

その時みんなに恩返しをすれば良いと思うよ」


そのことばに少し涙を拭いた紗奈が

拓馬に聞いた


「本当に今は頼っていいの?」


その言葉に拓馬は紗奈に元気を送るかのように

返事をした


「当たり前だろ

もっとさみんなを頼ろうぜ俺たちだけじゃなくてさ佐原とか

俺らの家族だって頼っていいんだからね」


拓馬は親しくなっている仲だとこういう喋り方になるのだ


紗奈はそれを聞き安心したのか

少し寝てしまった。


保健室の先生が来たので

拓馬は紗奈の頭を撫で、


「また後でな」


と言い、その場を後にした。


その後紗奈は、体育が終わる頃目を覚ました


そしてみんなと合流

その後拓馬と佐原のことに行き

体育の授業のことを説明した。


説明を聞かされた佐原は


「神山はあれほど無茶するなと言っただろ

まぁ落ち着いて良かった」


「すいませんでした」


まずは紗奈を心配した

紗奈は謝罪をすると


「赤石ありがとうな

神山に近くにいてくれて。


人がいない間に発作が出てたら

それこそ大変なことになってたからな」


と感謝をされた拓馬だった


その後は午後の授業をしっかりと受けることができた

紗奈であった。 


「清水、ちょっといいか?」


そしてI日が終わり下校の時間

拓馬は先ほど紗奈が保健室にいることを

知らせてくれた清水を

呼び止めていた。


「赤石くん、どうした?」


「さっきはありがとうな

紗奈が保健室に行ったのを教えてくれて

何かお礼したいから

何かして欲しいことあるか」


と先ほどの件でお礼を言い

して欲しいとこを聞くと


「しておしいことか?」


清水はそう言いしばらく考えると


「なら連絡先交換してくれる?

仲良くしたいと思ってたんだ。


実は僕はさ、

いろんな人とわちゃわちゃするのもいいけど

決まった人と長く仲良くしたいんだよね」


清水は学級長がまだいないクラスを

まとめており、

自然と清水の周りには人集りが絶えず常に

わちゃわちゃしていたのだ。


もちろん人と話すのは好きだが

どちらかというと

清水は決まった人と

仲良くしたいと思っていたのだ


「そんなので良いなら連絡先の

一つや二つ交換してやるよ」


拓馬は即座に了承し

他の面々も交換を済ませた


拓馬達は常に一緒にいるが

来るもの拒まず去るもの追わずで、

仲良くしたい人は自分達の輪に入れる。


それなのになぜ四人でいるのかそれは

幼馴染同士のノリや話についていけない。

又はあの輪に入れにくいと

勝手に思われているのだ。


離れて行ってしまったとしても

学校では話すようにしている

それもあって交流関係は良好なのだ


「これからよろしくね赤石くん

それにみんな」


「おう、こちらこそよろしくな清水」


連絡先も交換し終えると

清水とは別れた。


清水は陸上部なので

一緒には帰れないのだ。


その後

四人は一緒に喋りながら帰っていた


「紗奈ちゃんがよくなってよかったよ」


「そうねよかったわ」


優吾と桃香がそんな話をしていると、

紗奈は3人の前まで行き立ち止まり

3人に話しかけた。


「みんな今日はごめんね心配かけて」


紗奈がそう言い頭を下げると

その瞬間空地は重くなった感じかした。


けれど拓馬はそんなこと思っていなかった。


なぜなら先ほど保健室で、

紗奈に言いたいことを言わせることができた。


その後紗奈にアドバイスを言い

紗奈は納得した表情で聞いていたからだ。


だから拓馬にとって今の紗奈の顔は

スッキリしているように見えたので、

この時の拓馬は安心して聞こうと思っていた。


けれど桃香と優吾はそうでは行かない、

保健室での出来事を知らないため

今日のことを謝るかと思った二人不安になった、

それは紗奈には謝ってほしくないのだ。


そして桃香と優吾がとっさに紗奈に声をかけた


「紗奈ちゃん」


「違うよ紗奈それは…」


桃香が全部言う前にすかさず紗奈が強く

喋り出した。


「でもこれからも色々言うと思う

でもそれはみんなともっといろんなことを楽しみたいから、

みんなともっと楽しく過ごしたいから、

これからもみんなに甘えるかもしれないし

無理もするかもしれないけど、

みんなで楽しい思い出作っていきたい」


桃香たちはそれを聞き安心した。

紗奈は自分が今思ってることを全部伝えることができた。

それを聞いて桃香と優吾も紗奈が

全部話せてスッキリしたんだなと思い、

紗奈に話しかけた。


「紗奈ったら何今更言ってるの?」


「え!?」


「俺らは幼馴染で仲良し四人組じゃん!

なー!拓馬っち」


「あー!楽しい思い出たくさん作ろう!

うちらしか作れないような、

楽しい思い出をいっぱい作ろう。

これは四人だけのいや仲良し組の約束だ!

たとえこの四人以外に新しく仲良し組に入ったとしても、

この約束だけはみんなで守ろうぜ」


「そうだな清水もこのメンバーに入ったし」


「そうねたとえメンバーが増えたとして

私たちの関係は変わらないものね

みんなで仲良くよくやりましょ」


その後も四人は楽しく喋りながら帰って行った

四人の物語?は始まったばかり。


さて仲良し四人組はこれから

どう言う人生を歩んでいくのかご期待ください


第一話「幼馴染」end

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