8月30日
先月の終わりくらいに、本屋さんで見かけた一冊の本がずっと気になっていました。
夏休みの宿題のコーナーだったと思うのですが、そこにずらっと並んだ課題図書の本たち。
「宿題」や「読書感想文」といったものから遠ざかって何年も経つせいか、ふとどんな本があるんだろうと思って見ていました。
そこで見つけたのが「鳥居きみ子 家族とフィールドワークを進めた人類学者」という一冊の本です。
読書感想文コンクール中学生の部の課題図書で、内容的に一度読んで満足するのなら、買うよりも図書館で借りる方がいいのかもしれないと一旦買うのはやめました。
そこで図書館に行ったのですが、今度は課題図書ということで常に貸出中でした……。
で、結局買って読んだのですが──買ってよかったです。
鳥居きみ子さんの生涯を描いた作品なんですが、関東大震災、第一次世界大戦、満州事変、日露戦争、第二次世界大戦などの激動の時代を、家族とともに生き抜いて、どんなに大変なときでも人類学や民俗学に邁進する姿勢が本当にすごいと思いました。
ただ、その中で子どもに先立たれたり、幼い子どもを日本の母やご近所さんに預けてモンゴルへフィールドワークへ行ったり、養子に出したりと、母としての自分への葛藤なども描かれていて、胸が痛みました。
女性の社会進出が遅れている時代で、学問と家庭を両立させることの難しさ、平和への願い、他にもいろいろと考えさせられるところがあって、面白かったと一言では片付けられない本でした。
この本は奥さんであるきみ子さんの話だったので、機会があれば夫の龍蔵さんの話を読んでみたいです。
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