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.157『ひつぎのうた』:Virelai

羊（ひつじ）の数（かず）をふたりで数（かぞ）えましょう

一二三四五六七八九（ひふみしごろちはく）　さあ　いくつでしょう

いいから答（こた）えて　そうそう正解（せいかい）

羊（ひつじ）を数（かぞ）えて眠（ねむ）りに落（お）ちましょう

一二三四五六七八九（ひふみしごろちはく）　さあ　いかがでしょう

いい感（かん）じ？　上々（じょうじょう）　続（つづ）けなさい

人（ひと）は叡智（えいち）を得（え）るために羊（ひつじ）を数（かぞ）えるみたい

畢竟（ひっきょう）　人（ひと）の卑怯（ひきょう）さはちっとも変（か）わっちゃいない

いっそ皆（みな）永眠（えいみん）すべき？　それはもったいないでしょう

人（ひと）は叡智（えいち）で狂（たぶ）るために羊（ひつじ）を求（もと）めるみたい

畢竟（ひっきょう）　この悲況（ひきょう）は昨日（きのう）今日（きょう）からのことじゃない

一掃（いっそう）してしかるべき？　それはもったいないでしょう

非行性（ひこうせい）を秘（ひ）めたあなたは　別（べつ）のものにしましょう

柩（ひつぎ）なんていかがかしら　さあ一緒（いっしょ）に数（かぞ）えましょう

一二三四五六七八九（ひふみしごろちはく）　泣（な）いてないで笑（わら）いなさいな

酷（ひど）い惨（むご）い地獄（じごく）のよう？　今更（いまさら）何（なに）を言（い）うのでしょう

人（ひと）は黙（もく）してても死（し）ぬの　死因（しいん）なんて些事（さじ）でしょう

一二三四五六七八九（ひふみしごろちはく）　笑（わら）ってないで泣（な）きなさいな

命（いのち）を奪（うば）い踊（おど）る炎（ほのお）を　篤（とく）とご覧（らん）なさいな

非業（ひごう）の死（し）を与（あた）え赫（かがや）く　赫（あか）き左（ひだり）の眼（め）と腕（かいな）

必死（ひっし）に足（た）す柩（ひつぎ）をふたりで数（かぞ）えましょう

命（いのち）を救（すく）い躍（おどる）る炎（ほのお）を　篤（とく）とご覧（らん）なさいな

非望（ひぼう）の詩（し）を番（つが）え嚇（かかな）く　蒼（あお）き右（みぎ）の眼（め）と腕（かいな）

必死（ひっし）に引（ひ）く柩（ひつぎ）と　眠（ねむ）りに落（お）ちましょう