.144『弦月の光は鮮血と浸りて』:Sestina

全然ぜんぜん ひとはなしかないで

める白刃はくじんともける

せない言動げんどう気色けしきばむ相手あいて

けたたましくげる叫声きょうせいしゃがれる

出方でかたうかがってかんがえてもこたえはない

ていうかもう本当ほんとうに いい加減かげんにして


漣々れんれん炎火えんかと 吐息といきちいさくらして

冷静れいせいつめる 彼女かのじょたちへとらいで

かる 大丈夫だいじょうぶ 約束やくそくやぶらない

せいするような眼差まなざしをなだめてける

目一杯めいっぱいおどけるはずほのおみだれる

んだしろほのお右手みぎて


炎々えんえん える彼女かのじょ右手みぎて

えぐるようにあら呵責かしゃくして

弦月げんげつ舌口ぜっこう激昂げっこうしてはれる

けざやかなける攻勢こうせいあざやいで

音柄ねがら気上けあがっておどくるほのおあざけ

ねらゆみ もうこれ以上いじょううばわせはしない


絶対ぜったいこわさせない あんなこともうさせない

全力ぜんりょくめてやる あおほのお右手みぎて

蔑視べっしする相手あいてく よりはやはじける

別種べっしゅほのお そのしろかがやきをらして

弦月げんげつはやてる白刃はくじんよろいあおいで

原形げんけいうばわれたおもくずれる


出逢であひとすべてがやさしくしてくれる

平和へいわ世界せかいなんかではしてない

でも それでもこわしたりしないで

へらへらわらってえるしろ右手みぎて

手当てあたり次第しだいさま哀願あいがんして

へだたるみんなの悲鳴ひめいなだつづける


延々えんえんせま白刃はくじん 背後はいごなおつづける

炎色えんしょくはどすぐろしろく あざけるようにあばれる

えがつきく あのあかこだまして

げても そのこえしてとどかない

ねがうせがむ根差ねざねがさけぶ ふえ右手みぎて

ねえ これ以上いじょうみんなをこわがらせないで


ねがいは相次あいついで くされつづける

右目みぎめ右手みぎてが ふるえてはあふれる

せまつぐない こんな連中れんちゅうころして

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