入学式襲撃編Ⅵ

「疲れた・・・・ちょっと膝借りるわよ」


そう言って雫は透の膝に自分の頭を乗せて座っていたソファーに寝転んだ。

透はデバイスをで届いた報告書に目を通していた。

2人のいるへ家のインターフォンが鳴った。


「こんな時間に・・・・今日のテロに関係あるかな?」

「かもな」


2人は魔法を準備して玄関に向かった。

玄関は暗く、床は冷たい。

扉を少しだけ開きその隙間から透が閃光魔法を放った。

閃光魔法がおさまるとすぐに外に出た。

彼の目の前に立つ人影は目を覆っている片腕をゆっくりとどかす。

それを見て透は次に準備していた攻撃魔法を戻した。


「すまない永原、大丈夫か?」

「はい」

「今日はあんなことが会ったばかりだから奴らの仲間かと思って、とりあえず中に入るか」


二人は家へと入った。


「雫!」

「美織!」


2人は驚いた声を上げながらもそのままリビングへと向かった。

中央のテーブルを挟んで永原は2人の前に座った。


「すみませんこんな時間に突然」

「大丈夫よ、それでどうしたの?今日のことで何か問題でもあったの?それにその荷物」


彼女の隣には旅行用のトランクケースが1つ置かれていた。


「連絡は来ていませんでしたか?軍の水島さんと言う方から、これからはこちらで暮らすようにと言われたのですが・・・・」

「・・・・え?」


透と雫の口から声が小さく漏れた。

透はデバイスを操作して水島に連絡した。

だが電話相手は彼に話す隙すら与えずにこうなった理由と永原についての情報を話してすぐに電話を切ってしまった。


「すみません、やはりご迷惑ですよね。今晩は一度家に帰ります」

「いや、それはやめておいた方がいい。たった今水島さんから連絡が来た。この画像と一緒に」


そう言って帰ろうとする彼女に透がデバイスに映った写真を見せた。

写真は永原の部屋を映したものだった。

室内はひどく荒らされている、棚などは倒れた多くのものが床に散乱している。

それを見て永原は声の出そうになった口を押さえた。

そんな彼女に雫が声をかけた。


「今日は疲れたわね、今はゆっくりと寝た方がいいわ。うちの空いてる部屋を貸してあげるからついてきて」

「ありがとうございます」


永原は雫に手を引かれながらゆっくりとした足取りで2階へ向かった。

透はデバイスの着信に気がついた。


「お疲れ様です石塚隊長」

「ああ、君もお疲れ」

「何か御用でしょうか?」

「永原美織君のことで少し、君に共有しておかなければならない情報がある・・・・」

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