第3話 オステオスペルマム

 片隅に置き忘れた寄植えの鉢に、冬を越しても残った苗。どうかなと思っていたら、最近になって一斉に咲き始めた別名アフリカンデージーの花たち。それぞれの鉢にこの苗だけ残っている。

 先週末、背の高い植物や少し明るい色を足して寄植えを復活させた。手入れを怠って徒長したまま乱れた枝ぶりが気になる。手もつけぬまま春になって気がつくと葉が出て蕾がついていて、結局そのまま咲かせてしまう。

 思い切って秋に短く切ってあげたらもう少し姿勢良くきれいな姿勢になって咲いたかも知れない。咲いてるうちは関心を示すのにその後に放ったらかしする…木花と同じだ。咲いてる間しかその木がなんという木かわからない。

 花は盛りが過ぎてからが手入れの本番なのにと自分を戒める。今年は花の終わりに忘れず挑戦してみよう。

 渋い色が好きでピンクでもくすんだもの、赤でも少し黒ずんでいる、黄色も個性的な緑色がかったもの、鮮やかな色が苦手な私の庭は4月になってこっそり春を告げ始めた。何も考えずに色目だけで植えた花は出生も定かではない。アフリカンデージーと聞いてもピンときてない。冬にも強い苗なのか気がつけば残っていた。2〜3年は咲くらしい。多年草、宿根草とは言わないけど毎年咲いてくれるのは嬉しい。

 園芸家ではないから考えてデザインして植えるという基本的構想がないので残ってから初めて名前を調べてオステオスペルマムなのか…と認識した。

 今のところ全部鉢の中で咲いている。だから生き残ったとも言える。庭に植えると気無しに掘り返して根を失くしてしまう。

 ありがたいことに残って咲いてくれたオステオスペルマム…このまま残って来年も咲いてくれるようにもう少し管理作業を勉強しようと思う。

 

 

 

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