変革した世界で

1年1月

第2話 一日目 1

 年越し蕎麦を啜りながら、何とはなしに新年のカウントダウン番組を眺めている。

 そうすることしばし、カウントダウンがゼロになった瞬間部屋の電気が落ちた。

 停電か?


 「この世界にステータスの概念を付与し、それ以外の理を排しました。

 それと同時に、この世界に私が今まで進入を拒んでいた存在を順次引き入れます。

 この世界に住まう者達よ、新しい理が適用されたこの世界に適応し生きなさい」


 は?

 急に脳内?に直接言葉が届けられた。

 半ば呆けていると次の瞬間情報が流れ込んできた。

 急な出来事に戸惑っている間にそれらのことが一辺に起き半ば混乱する。

 だが、それと同時にワクワクとした感情も巻き起こる。

 もし、もしもだ、今の言葉、今の情報が本当のことならば、私の様なオタクならば喜ばざるを得ないだろう。

 そう、世界がゲームの様な世界になったのだから。

 だから私は確かめる。

「ステータス」

 声に出す必要は無いらしいのだが、自然と言葉が溢れていた。


レベル 1

  現在経験値 必要経験値

経験値     0     95

装備 ジャージ上下

  物防   2  耐久  4

      装備合計値

体力 5

筋力 5

知力 5

魔力 5

精神力 5

信仰 5

   現在値 最大値

HP 10   10

SP 10   10

MP 10   10

物攻 5

物防 5         7

魔攻 5

魔防 5

器用 5

俊敏 5

抵抗 5

種族レベル

人類 1

職業レベル

スキルレベル

レベルポイント


 出た!本当に出たぞ!

 電気のついていない真っ暗な部屋の中ではしゃぐ三八歳のオッサンのオタクという、中々にヒドイ絵面だが、そんなことはどうでも良い。

 ステータスが表示された。

 先程渡された情報の通りだ。

 そうなると他の情報、このステータスをどの様にして成長させるのかとかも信憑性は増すだろう。

 今すぐにでもレベルを上げに行きたいところだが、部屋もそうだが外も真っ暗闇の中。

 こんな中で活動するのはかなり厳しい物があるので私はそのまま就寝し朝になるのを待つ事にした。


 そして、日が昇り日が差し込むと共に目が覚める。

 私は台所にある庖丁を手に取り意気揚々と外へと出掛けるのだった。

 後で思えば庖丁片手に外出するなんて、不審者も良いところだなと思うことになるのだが、今この時はそんなことなど考えもせずにレベルアップの事だけを考えていた。

 家賃凡そ七万円というアパートの一室を出る。

 外には人の姿はない。

 どうやら、殆どの人はこの異常事態に対して保守的な行動に出ている様だ。

 これだけでも私が何かしら優位に立てる要因になり得るだろう。

 何せ早期にレベルアップをすることが出来るのだから。

 私はそんなことを考えながら、レベルアップに必要な経験値を稼ぐための対象を探しに出掛けるのだった。


レベル 1

  現在経験値 必要経験値

経験値     0     95

装備 庖丁

  物攻   5  耐久  10

  ジャージ上下

  物防   2  耐久  4


    靴

    物防  1  耐久  2

      装備合計値

体力 5

筋力 5

知力 5

魔力 5

精神力 5

信仰 5

   現在値 最大値

HP 10   10

SP 10   10

MP 10   10

物攻 5         10

物防 5         8

魔攻 5

魔防 5

器用 5

俊敏 5

抵抗 5

種族レベル

人類 1

職業レベル

スキルレベル

レベルポイント


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