第2話

 「なにとぼけてるの?彼女さん。これからあなたには聞きたいことがいくつかあるんだけど良いかな?良いよね?」


 「京奈!?目が、目が怖い。一旦落ち着こう、うん。俺は梨亜だ。正真正銘お前の幼馴染の梨亜だ。」


 「証拠は?」


 「証拠?……」


 「……6歳のとき、一緒にお泊り会をして俺がおもらしをしてしまった時に京奈がかばってくれたこと。14歳のとき、当時はまっていた漫画に影響され『俺は新世代の神なる男。上本梨亜だ!!』っと新学期の自己紹介で言った事。その後京奈に『キモい』と言われ目がさめたこと……」


 「本当に梨亜じゃん!どうしたのその体!?」


 「シテ…コロシテ…」


 もう無理だ。お嫁に行けない。心の奥底にしまってきた黒歴史が蘇ってくる。あの時のクラスの空気、クラスメイトと担任の表情。あぁ、どうか俺を殺してください。うぅぅ…………


 「お〜い、梨亜〜帰ってきて〜〜」


 「…っは!そんな事より!俺はなぜになっているんだよ!?意味がわからn………」


 「いや、思い当たる節が一つあるわ……」


 「そうだね…」






 「「梨亜のお父さん」」

 

 「だよなぁ〜」


 「だよねぇ〜」


 うん。なぜこの女子化が俺のお父さんに繋がるのか?と思っただろう。それは俺のお父さん、上本浩一郎《かみもとこういちろう》は製薬会社、上本製薬の社長だからだ。今までも『人間の実験体は使えないから』と言って俺や京奈に薬を盛ってきた前例がある。『1日トカゲ人間になる薬』『1日赤ちゃんになる薬』『1日恋愛対象が物になる薬』……などなど、しかし表向きは世界有数の立派な製薬会社だ。


 創立25年にして300億ドルを稼いだ製薬会社、日本TOPの会社だ。なぜこんなに素早く成功したかといったら『すべての癌細胞を打ち消す薬』や『鬱病を打ち消す薬』、『障害を打ち消す薬』などなどのあり得ない薬を開発してきた過去があるからだ。

 去年、俺のお父さんはノーベル医学生理学賞を受賞した。変な薬を使わなければ自慢の父親だ。


 「でもまぁ、多分今回も1日で薬の効き目も無くなると思うから大丈夫だよ。多分……」


 「う〜ん…そうかな〜一応梨亜のお父さんに確認しておこうよ、」


 「まぁ、一応してみるか」


 俺は小柄で可愛らしい体を起こしスマホに手を伸ばす。やはり全体的に軽くなった気がする。スマホのロックを解除し電話帳からお父さんの連絡先を見つけ、呼び出しボタンにタップする。


 プルルルプルルル……………ガチャ


 「おぉ〜梨亜!どうだ体調は?」


 「心は絶不調。」


 俺は少し怒気を込めた声で返す。


 「元気そうで良かったZE☆それよりどうよ〜女の子の体は?」


 本当に去年のノーベル医学生理学賞がコイツで良かったのか?この世界狂ってるだろ。


 「うるせぇ、それよりこの体いつ治るんだよ。また1日か?それとも一週間?どっち?」


 「2年」




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