定型文

振り返ったキミの頬に


涙の跡が見えたとき


僕の心は耐えられないくらいに締め付けられた


キミが本当に辛いとき


キミが本当に僕を必要としたかも知れないとき


キミの側に居られなかった事を


キミの事を


抱き締めてあげる事を出来なかった事を


後悔した


ごめん


ごめんと呟きながら


抱き締めたとき


キミは声をあげて泣いたんだ


キミの涙が頬の跡をなぞって


僕の頬にも涙の跡を残すとき


キミの髪の香りが


熱が


胸に伝わる鼓動が


キミの悲しみと愛おしさを


どうしようもなく


僕の心に刻み付けた


その感情を


定型文を並べただけでは表す事は出来ないけれど


でも


確かに


残しておきたいと


そう思ったんだ。

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