新しいはじまり2
翌朝、ディープは優しく肩をゆすられた。
「う、ん……」
「そろそろ起きませんか?」
エリンの声がした。
カーテンが開けられ、「いいお天気!」弾んだ声。
(まぶし……)
ディープは思わず腕で顔を覆った。室内に明るい光がいっぱいに差し込んで、そして、思い出した。
(……あ、出かける約束だったんだ)
大きく伸びをして、ようやくベッドから出ると、乱れた寝具を整える。
(ほほう。感心、感心……)
そう言っているラディの顔がチラついて浮かび、苦笑する。
(うるさいな。ちゃんと努力してるよ)
当直の回数は増えたが、以前のようなめちゃくちゃな生活ではなく、当直以外の日はちゃんと帰宅するように努めている。
ディープは窓を開けて、空を見上げた。
(ああ、お天気になって良かった)
「おはよう」
キッチンに行くとコーヒーの香りがしていて、
「あ、おはようございます」
エリンはグラスに入ったオレンジジュースを渡してくれた。
「ありがとう」
「良かった。ちゃんと起きられましたね。お天気も良いし、お出かけ日和ですね」
エリンはニッコリとして、嬉しそうだった。
今日はふたりともオフで、一緒に出かける計画があった。
「君を連れて行きたい所があるんだ」
先日、ディープはそう言って、エリンをはじめて遠出に誘ったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます