ディープの物語1

 ディープが今までの経過を報告して、謝意を伝えると、

 ウィン医師は、

「ディープ、ひどい顔をしているよ。それで良い仕事ができるわけがない。ずっと休みをとっていないだろう?これは上司としての命令だよ」

 1ヶ月休みを取るように言われた。


 自分のベッドでゆっくり眠るのはいつぶりだろう?と思い、ひたすら眠り続けて起きたら、自分が空っぽになっている気がした。

 何をしたらいいかわからなくて、何もする気がしなくて、ただぼんやりと時間ときを過ごした。


 モーリスを送り出すとき、ディープは型通りに書類にサインしたあと、必要なことは全てヴァン所長とラディが済ませたので、何もすることがなく、できることもなかった。


(医者なんて、こういう時、何の役にも立たないな……)と自嘲気味に思う。


 ディープは実感が伴わなくて、呆然としていたのだ。


 

 




 

 

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