第三篇 覇竜の系譜

第7話 ドラゴンAI

 米国にある研究所。

 その地下室、モニターが並べられたコントロール・ルームにて。


「お姫さまの様子はどう?」

 白衣姿の黒髪の女性は、デスクで観察を続けていた研究員に問い、

生命兆候バイタルは正常。脳波パターンから推測するに、現在は夢を見ているようです」

 百名近くのスタッフが活動する中、所長である彼女――草薙香くさなぎかおりは微笑み、

「竜は、どんな夢を見るのかしらね」

 厳重に隔離された部屋の中央、培養液の中にいる少女の姿に。

「所長、そろそろ目覚めますよ」

 マイクに近づいた香は、緑玉色の瞳をゆっくりと開いた幼竜に語りかける。


『おはよう、AIアイ


 これは、失われていたAIの記憶の物語……。

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