第15話 第2部 犯罪合法化社会

 ⭐三浦礼二 朝倉とコンビを組むスパイ、最後は肺の病で死ぬ

 ⭐井上 国家安全保障局局長(最後に殉職)東大卒

 ⭐斎藤英輔 三浦の通院する病院のDr.

 大久保警視は夜のオフィスで机に向かっていた。書類を整理している最中、突然過去の記憶が蘇った。彼は椅子から立ち上がり、窓辺に立って空を見上げた。


 数年前、追川がテロリストとの交渉中に自爆テロを決行した際、大久保警視はその場にいた。大久保の部下たちは彼と共に犠牲になり、爆発によって追川の家は大きな被害を受けた。


 大久保警視はその悲劇的な出来事を思い出し、当時の苦悩と無念さが心に広がるのを感じた。彼は自分が何もできなかったことへの後悔や、部下たちへの哀悼の念が胸を押し潰すようだった。


 あのテロでの犠牲者は追川と安藤努巡査と橋口学巡査部長の3人だ。


 窓からの風が心地よく、夜空の静寂が彼の思考を落ち着かせた。しかし、その静寂の中には過去の傷跡が残り、大久保警視はそれを癒すことはできないと理解した。


 彼は深くため息をつき、再び机に戻って仕事に取り組むことに決めた。過去の出来事は変えることができないが、未来への努力と責任を果たすことで、手下たちへの敬意を示すことができると感じた。


 8月1日、岸辺政権が崩壊し、犯罪合法化社会が訪れた。法の下での秩序は崩れ、闇の力が支配する世界となった。この混乱の中、藤井は自らの正義を貫くために行動を起こすことを決意した。


 真夏の夜、高層ビルが立ち並ぶビル街で、チンピラたちが暴れ回っていた。彼らは法の制裁を恐れず、無法に振る舞っていた。藤井はそんな彼らに立ち向かうため、ボーガンを手にビル街に姿を現した。


 チンピラたちは藤井の出現に驚きながらも、軽蔑の笑みを浮かべた。しかし、その笑みも束の間、藤井がボーガンを構えると一変した。一瞬の静寂が漂った後、ボーガンから放たれた矢が的確にチンピラたちを貫き、彼らを地に倒した。


 ビル街には一瞬の間に静寂が戻り、藤井の姿がビルの陰に消えた。その行動は、闇の支配を許さず、正義のために戦う者としての決意を示すものだった。


 8月3日夜、大阪の繁華街にある人気の串カツ屋が突然爆発した。爆発の衝撃で周囲の建物も揺れ、街は混乱に包まれた。


 火の勢いはすさまじく、黒煙が立ち上り、周囲の店舗や通行人たちはパニックに陥った。消防車や救急車が駆けつける中、消防士たちは懸命に火災を鎮めようと奮闘した。


 一方、警察は爆発の原因を究明しようと捜査を開始した。爆発がテロのような攻撃なのか、それとも事故なのか、真相を探るために警察官たちは証拠を集め、目撃者から情報を聞き出そうとした。


 串カツ屋の周辺は封鎖され、捜査が進む中で事件の背後に隠された真実が次第に明らかになっていくことになるだろう。


 1. **警察の資源削減:** 犯罪が合法化されたことで、警察の予算や資源が削減されたり、犯罪対策に回せる時間や人員が減少した。これにより、犯罪捜査や防犯活動が困難になるでしょう。


2. **警察への信頼低下:** 犯罪が合法化、市民の間で警察への信頼が低下する傾向にある。法の執行機関であるはずの警察が犯罪に対して無力であると認識されたのだ。


3. **犯罪組織の台頭:** 犯罪合法化社会では、犯罪組織がより大胆に行動し、警察に対抗する力を持つ可能性が高まる。警察が手を出しにくい領域や事件も増えるため、犯罪の摘発が難しくなった。


4. **私設警備会社の台頭:** 犯罪合法化社会では、企業や個人が自ら警備を行う私設警備会社が台頭する。これにより、警察の役割が相対的に小さくなり、私設警備会社の運営や質の問題も浮上した。


 太平洋の広大な海域で、海上保安官の三浦礼二は数々の海難事故や海賊の摘発に成功し、その名声を高めていた。彼は常に冷静沈着でありながらも、危機に際しては的確な判断を下すことで知られていた。


 ある日、船舶が大規模な火災に見舞われ、乗員と貨物の安全が脅かされた。現場に駆けつけた三浦礼二は、鎮火と救助作業を指揮し、迅速かつ的確な対応で多くの人命と財産を救うことに成功する。その功績は海上保安庁内外で称賛され、三浦礼二はその名をさらに高めることになった。


**失敗の反省**


しかし、栄光に照らされる時には、失敗もまたつきものである。ある日、三浦礼二は激しい台風による海難事故に遭遇する。しかし、彼の判断ミスと対応の遅れにより、救助活動が滞り、数名の乗員が犠牲となってしまう。


その失敗は三浦礼二にとって深い痛手となり、彼は自らの過ちを反省し、同じような悲劇を繰り返さないために努力する。彼は教訓を生かし、さらなる訓練と知識の獲得に励み、次なる危機に備えることを決意する。


 犯罪合法化により警察組織の機能が著しく低下し、その代わりにスパイ機関『エンジェル』が台頭し、厳しい対決が展開されている。指導者である朝倉哲也を中心に、元海上保安官である三浦礼二を含むエージェントたちは、敵対組織との闘いに全力を注いでいる。


 エンジェルは敵の陰謀と戦略に対抗するため、情報戦に重点を置いている。高度な技術と緻密な計画に裏打ちされたエージェントたちは、狡猾な敵にも冷静かつ果敢に立ち向かっている。古参メンバーである中鉢や深瀬は、経験豊富な知識と冷静な判断力を持ち合わせ、組織内で重要な役割を果たしている。


 対決の舞台では、緊張感が高まり、戦略と戦術の巧妙さが問われる。エンジェルのエージェントたちは、自らの命を賭けても社会の安全と秩序を守る覚悟で闘っている。彼らの努力と犠牲は、新たな秩序の確立に向けた決定的な一歩となっている。


 





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