第3話
それぞれのやり方でクレジットにメダル50枚分投入する少女たちを見て考える。
落ちついて見える左サイドと比較して右半分わちゃわちゃしながらやけに楽しげだ。
ショールーム実践を開始する6号機スロットマシン……ジャグラーガールズSS。
初代に触れたのがゲーセンで語りたいネタの尽きない緑枠筐体は正当後継機になる。
ボーナス合成確率やリール配列が同じアイムと比較するなら完全にビッグ偏向型。
もちろん解説はジャンバリ所属のジロウでビッグ偏向すなわち獲得数で荒れまくる。
設定1は激悪のビッグ1/287.4でバケ1/397.2で機械割96.5%。
設定2のビッグが1/282.5バケは1/364.1で機械割なら97.8%だ。
設定3がビッグ1/273.1でバケは1/334.4の機械割的に99.7%。
ここから高設定でボーナス確率はアイムジャグラーと比較して大差ないビッグ偏向。
設定4のビッグが1/264.3でバケが1/297.9機械割は102.0%。
設定5でビッグ1/258.0のバケが1/286.2に機械割は103.9%だ。
設定6はビッグが1/240.9でバケは1/270.8の機械割107.4%。
もちろんメーカー発表は左リールチェリー狙いや成立後ブドウ抜きをやらない数値。
ここでスロットマシンの基本である機械割について簡単な補足を入れて置きたい。
パチンコ店に於けるスロットマシンと本場のカジノで設置されるタイプは別物だ。
スロットマシンは終戦後沖縄で駐留するアメリカ軍施設に導入された機械が始まり。
(以下はパチスロメーカー「パイオニア」HPから文章を引用して変更しています)
現代カジノと違い25セント硬貨。50セント硬貨をマシンに投入するタイプだ。
25セントは100円大で24.3mm。50セント硬貨なら30.6mmらしい。
この50セントに近いサイズが沖スロ専用メダルとして現在でも使用されている。
スロットマシンのメダルは25セント硬貨に近い大きさである……25mmサイズ。
初期沖スロは向かって右に大きなアップライトハンドルがある完全告知マシンだ。
これを大きな動作でレバーオンすると頭上設置のパトライトが回り光って告知した。
もちろん規制などは存在せずビッグとスモール(オバケ)が強烈に連チャンする。
深いハマりと激しい連チャンを繰り返すことを売りにして……沖縄全域で流行した。
初代のジャグラーガールもメーカー仕様と内部が異なる裏モノは存在したらしい。
「リプレイ連続でボーナス成立する」リプレイVerと呼ばれるモーニング仕様だ。
ビッグ中7枚小役が主体で効果の乏しいリプレイ外しで平均370枚獲得できた。
現行と違う洗練されていないグリーン筐体に二十年前から同じ小役絵柄は小さめ。
まれに次ゲーム告知も発生したようで5号機時代は退席の直前に注意が必要だった。
千円ベースが違う4号機は平均23ゲーム。5号機のコイン持ちが25ゲームだ。
5号機ジャグラーガールズKはビッグ純増300枚でほとんど最新型と変わらない。
ボーナス終了後100ゲーム内のゾロ目ビッグでジ・エンターテイナーが流れる。
1ゲーム連チャンしたビッグ中だけは特殊音ガコ・リミックスの流れる仕様だった。
北電子のイケメン営業マンから渡されたメモ紙によるボーナス確率にビックリだ。
ビッグは1/226から1/273。バケが1/252から1/381に驚愕する。
従来機のビッグは1/241から1/287。バケが1/271から1/397。
6号機ノーマルの宿命ビッグなら240枚。バケなら104枚で純増数は激減した。
ベル・ピエロは1/1092。非重複チェリー1/39(5&6は1/36)だ。
確率が上がり機械割は従来からさほど変わらない分だけベースが大幅に増している。
内部仕様は前機種同様で完全にビッグ寄りのアイムジャグラーと考えて相違ない。
もちろん「外部からのボーナスを狙えない」だけでジャグラーに連チャン性はある。
六台とも最高の内部設定6に打ち替え済みで……それでも元来オール設定バトル。
それぞれに初期設定から上げの変更したリセット状態で始まるため影響は読めない。
リリや永依がダンジョンで得たスキルを使用しなければ純粋な意味でのヒキ勝負。
本来の意味で「誰のペカりが一番多いか」もちろん神さまにしかわからない領域だ。
「週末の今日……わざわざ招集して午後イチまで拘束する代償にご褒美をあげるよ。
ペカり数上位二名。優勝ならオレとジミーくんの命令権で準優勝はどちらか片方?」
勝負の開始前にオマケ? 勝利者に与えるご褒美を適当に冗談半分で伝えてみた。
「うおぅそれマジ? どんなことでもジロウくん相手に命令しちゃっていいんだ?」
いきなり赤い猫目双眸をキラリと怪しく輝かせたのはもちろんリリで……やべぇ。
「ふぅん。二人とも逆らえない命令権かぁ……ちょっと意識するだけでも楽しそう」
一番右に座り清楚すぎるお嬢さまにしか見えない美少女の眼鏡がキラリと輝いた。
「メージくん執事服にお着替えさせてご奉仕してもらえちゃったらいいねいいねぇ」
その隣で無邪気に両手を振りかざしはしゃぎながらつぶやく言葉と視線がヤバい。
「お着替えさせちゃえるのかぁ……それなら無理やりメイド服だよっ。笑っちゃう」
なんか普段のおバカなギャルじゃない……違う意味で腐ってるっぽい笑みが怖い。
「ケーちゃんいないし命令権なんておもしろくない。まぁ折角だから考えてみよう」
「リリに耳打ちされた……あのノッポ? ジロウくんって魔法使えちゃうらしいよ」
やる気ないピンク髪ギャル永依にウサ耳ココがこっそり耳元で囁く言葉もアレだ。
「魔法使い……リリと一緒にうつぼ公園。ダンジョン入りしちゃえると都合いいね」
「身体デッカいし強いからジロウくんダンジョン攻略なら便利遣いできちゃうよぉ」
余計な助言するのはやめろリリ……まぁ今後のことまで考えるなら悪くないけど。
「まぁ準備は済んだよな? ジャグラーガールズSS二千ゲーム勝負スタートっ!」
準備万端の美少女たちを見つめながらカメラ目線で叫んだのと同時にレバーオン。
もちろん快適すぎる室内環境にお茶。ミネラルウォーターはいくらでも飲み放題。
お遊び勝負の結果なんてどう転んでも問題ないし神さまだけが理解する領域にある。
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