第4話「魔法と魔導書」

R18版

https://kakuyomu.jp/my/news/16818093075674165511


異世界生活 3日目


 今日は朝からエリザさんに魔法について教えてもらっている。


「ということで魔法を使うことはそんなに難しくはないです。難しいのは使いどころですね」


 エリザさんの言う通り、エリザさんが使っていない魔導書読んだだけで炎と水の魔法を覚えた。

不思議な事に使ってもいないのに、使えることがわかり、使い方もわかる。そして役目を終えたかのように魔導書は消滅した。


「よかったんですか? 魔導書って消滅するってことは貴重品なのでは? ジュル払いますよ」


「確かに貴重ではありますが覚えている魔法が書かれている魔導書はただの荷物にしかならないので、お気になさらずに」


「ちなみにおいくらなんですか?」


「読んでもらった魔導書は初級のもので4回読めて2000ジュルです」


 思ったより結構高かった。


「やっぱり払います」


 俺は授業料こみで3000ジュルを無理やり手渡した。


[2720ジュル]


「別によかったのに。魔導書なんて作って売ればいいだけだし」


「作れるんですか?」


「はい、自分の覚えている魔法なら魔導書にできますよ、回数も決めれますし。今のも私が作ったものです」


 魔導書を作って稼ぐ、それって魔力が高い俺にとって天職なのではないだろうか。


「どうやって作るんですか?」


「魔導書に入れる魔法をイメージしながら魔力を注ぐだけなので魔力さえあればそんなに難しい事ではないのですが、何も書かれていない本を手に入れる方が難しいです」


「紙が貴重だということですか?」


「そうです。紙もそうですが、何も書かれていない本という物自体、無書っていうんですけど王国か国の魔導士組合でしか作っていないので」


 この世界では紙が貴重なのか、確かにこの村に来てから本という物自体見かけていないな、ゲームに出てくるような丸まった羊皮紙か、黒板しか見ていない。


「ちなみにどれくらい魔力が必要なんですか?」


「魔法を1つ入れるのに魔法1回分ですね。40ページの魔導書に4つ魔法が入れられます。私達魔導士内では書き込むって言い方をします。書き込みも1回しかできなくて後から付け足したり消したりできないので、空きがないように4つ入れるのが主流ですね。書き込むのにも1回分つかうので、4回使える魔導書を作るのに5回分必要です。無書も1500ジュルかかりますし」


 なるほど技術料こみで2000ジュルか。


「無書以外に魔法を書き込むことはできないんですか?」


 エリザさんは鞄から魔導書を取り出し、魔導書の真ん中についている赤くて丸い小さい宝石を指さす。


「これ魔獣石っていうんですけど、この魔獣石に魔力を込めて本に書き込むので魔獣石があればできるのですが、魔獣石を手に入れる為に魔獣を倒さなくてはならなくて、魔法に耐性がある魔獣を魔導士で倒すのが難しくて、魔獣を倒すのに戦士やハンターを雇う事を考えたら無書を買った方が安かったりします」


「魔獣は希少なんですか?」


「たくさんいますよ、強さもピンキリですが基本魔法はあまり効きません」


「魔導士って人間相手の方が有効ってことですか?」


「それもありますが魔獣じゃない獣、いわゆる獣種になら魔法が効きますし、遠距離攻撃ができる魔法使いは有利ですよ」


 適材適所とはよく言ったものだ。

誰かに頼んで魔獣石が手に入るようにできたら、洋紙被に魔法を入れて1枚200ジュルぐらいで売ればいい金になるのでは。


「そういえば、魔法ってどれくらいの種類があるんですか?」


「無数にありますよ。アイガさんが覚えた炎と水の魔法ですが使い方次第で派生します。例えば炎を剣にするイメージで魔法を使用して、炎が剣の形を維持して切った時に斬撃に付与して炎の効果がでたらそれで魔法が完成します」


 以外と単純だと思ったが、形の無いものを形にするのは難しいだろうとも思った。


「それで、その炎の剣の魔法が当たり前のように使うことができて、身に着いたら初めて無書に書き込むことができます」


 1日に使える魔法の回数を考えたら身につく程までに使用するのにどれくらいかかるやら。


「世襲制の魔導剣士や魔導士の一族は、編み出した魔法を一生をかけて研鑽しそれを次世代に残していくようにしているみたいですね」


 まさにどこぞの暗殺拳みたいな一子相伝って感じだな。


「昨日私に防御された魔法ってどんな魔法だったんですか?」


 そうだったアップデートするの忘れてた。


[コミュニケーションテリトリーをアップデートしますか?]


【はい】


[魔力4/7]


[魔力を3消費しコミュニケーションテリトリーをアップデートしました。自動発動はなくなり任意で1日2回まで使用できます。使用回数をアップデートしますか?]


【いいえ】


 アップデートは1日に1回以下にしよういつ魔力を使うことになるかわからないし。


「使いますか?」


「はい、害はないと言っていたので」


 害はないはずムフフはあるけど。


「コミュニケーションテリトリー発動!」


[コミュニケーションテリトリー発動回数 1/2]


 いつもみたいに周りに透明な壁が張られる。


「この膜みたいのが外界との接続を切り離しているんですね。まわりから人の魔力や生命力を感じなくなりました」


【そんなこともわかるんですね】


【魔法使いって童貞じゃないとなれないって話知ってます?】


【俺の杖を握って貰えませんか?】


[リミットタイムは1分です]


 最初の選択肢は簡単でいいな。


「そんなこともわかるんですね」


【そんなこともわかるんですね-5】


【魔法使いって童貞じゃないとなれないって話知ってます?+5】


【俺の杖を握って貰えませんか?+5000】


[心守備力65/140]


 エリザさんには下ネタは絶対厳禁だな。


「なんか、私の中の何かが削られた気がします」


 心守備力も感知できるのか、魔導士って凄いな。


「そういえば、エリザさんにも編み出した魔法とかあるんですか?」


「教えてほしいんですか?」


【ぜひ!】


【参考にしたいです】


【自分で編み出すんで大丈夫です】


[リミットタイムは1分です]


 全部大丈夫そうな感じを出しているけど3番目は罠だな、自分から聞いといてこの返答はない。

となると1か2だが、エリザさんとのやり取りから向上心が好きな人が好きそうな気がする。


「参考にしたいです」


「そうですか。いいですねその考え方、好感がもてます」


【ぜひ!-5】


【参考にしたいです-10】


【自分で編み出すんで大丈夫です-1】


[心守備力55/140]


 全部マイナスは初めて見た。ボーナス選択肢だったな。


「そもそもこの中だと魔法が使えないみたいです」


「それってこの中だと攻撃できないって事なんですかね?」


「さあ、そこまでは。魔法が使えないだけという可能性もありますし」


【じゃあ、持ってる杖で俺を叩いてみましょう】

【胸揉んでいいですか?感度もなくなってるかも】


【ケツに杖挿してください!】


[リミットタイムは1分です]


 ははは、こやつめ。うんなもん1番1択だろうが。


「じゃあ、持ってる杖で俺を叩いてみましょう」


【じゃあ、持ってる杖で俺を叩いてみましょう-20】


【胸揉んでいいですか?感度もなくなってるかも+100】


【ケツに杖挿してください!+7000】


[心守備力35/140]


「検証は大事ですもんね! 力の限り叩きます!」


「え? あ、グエ!!」


 思いっきり振りかぶってエリザさんは俺の頭に杖を振り下ろす、この人やばい人なのでは。


「でも。痛くない」


「なるほど、やはりこの空間ではアイガさんには攻撃できないみたいですね。敵意も持てないみたいです」


 この空間にいる限り俺は無敵なのか。


「どうやってこの魔法を手に入れたんですか?」


【持って生まれた才能です】


【教えてほしけりゃジュルだしな】


【実は転生してきたんです】


 もう正直に話すしかないじゃん。


【持って生まれた才能です-5】


【教えてほしけりゃジュルだしな-20】


【実は転生してきたんです-35】


[心守備力0/140]


[幻想空間に転移します]


 いつも通りの部屋に移動する。


「ここはどこですか? それに身体が熱い」


 エリザさんはローブを脱ぎ下着姿になる、色白でとても綺麗だ。


「これも魔法の影響ですか? いまアイガさんに対してなんでもしてあげたいって気持ちになっています」


 口でいろいろしてもらって気持ちよかった。

その瞬間元の世界に戻る。


「アイガのレベルがあがりました。レベル5、HP38/38、魔力4/8、攻撃力31、守備力35、素早さ26、賢さ25」


[スキル吸収が発動します。 アイガのステータスが更新されます。レベル5、HP39/39、魔力4/9、攻撃力32、守備力36、素早さ27、賢さ26 ]


[エリザのステータス及びディスクロージャーを更新します。レベル7、理解度20/100、心守備力140/280、好感度1、処女、好感度ボーナス1000ジュル、ジョブ 魔導士、HP13、魔力8、攻撃力12+5、守備力12+5+(30)、素早さ19-1、賢さ70]


[3220ジュル]


 魔導士からの吸収は魔力も増えるのか。


「とっても不埒な魔法だってわかりました。責任取ってくださいね」


「はい」


 昼食を済ませアイシャさんの勧めで、俺は村長に会いに行くことになった。

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