冬の日
君が小説を読む
僕は焦る そこにいられるかな
君がコーヒーを飲む
僕は縋るように窓を見た
同じ道を歩けるよう
歩幅を合わせて
左手は空けておくよ
いつか手を握って
月影を頼りに、芳香を頼りに
雨音を頼りに、行き先は君の横
冬の日の柔らかな光の中に
君が歌を口ずさむ
僕はゆっくり 目を閉じて眠る
君が前髪をいじる
僕は目を細めて空を見た
同じ道を歩けるよう
歩幅を合わせて
左手は空けておくよ
いつか手を握って
白い息を吐きだした
君が輪郭を描いたなら
僕が色をつけたいんだ
少しずつでも、下手でもいい
震える手で歪んだ線を
僕も歪んでいるんだから
君と歪んでいたんだ
君の横にいたいんだ
同じ道を歩けるよう
歩幅を合わせて
左手は空けておくよ
いつか手を握って
月影を頼りに、芳香を頼りに
雨音を頼りに、行き先は君の横
冬の日の柔らかな光の中に
冬の日の肩に積もる雪と共に
冬の日のおぼろげな輝きにいつか
君が小説を読む
僕は閉じる 栞は挟まずに
君は陽だまりに眠る
僕は音を立てぬようその部屋を出るんだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます