第10話四条大橋の風と一つ年下の大男

生牡蠣の魅力とは

何?

一つ年下の大男。


 体格が僕とは大幅に違いすぎる!

傘を差し出した男。

 傘はブランドものなのか?ルイヴィトンの傘?

何だっていい!

 顔も知らない生牡蠣が席巻している僕の心に焚き火でも焚いて追い払うしかない・・・!

 遅すぎた「キミに捧げる唄」の歌詞を書いた楽譜を握り潰し、サウスポーの僕は、八坂の方へ向かい四条大橋の欄干に沿って投げた!

 橋上の風力が勝って加茂川へ堕ちる。


顔も知らない生牡蠣が席巻している僕の心に焚き火でも焚いて追い払うしかない・・・!

 遅すぎた「キミに捧げる唄」の歌詞を書いた楽譜を握り潰し八坂の方へ向かい四条大橋の欄干に沿って投げた!

 橋上の風力が勝って鴨川辺りへ堕ちる。

「私ね、博愛主義者なの!」

都合の良い言い方だなと、感じた。


「河原町から乗るよ。大阪の社員寮に帰る。」


背中の西日が燃える様に暑い。

 冬物のブルゾンを着ていた。

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